第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-004/136page
の向上を図ることが,これからの教育を推進していくための極めて重要な課題であるといえます。
次に,来たるべき21世紀には,社会の各分野における情報化が日常生活にいたるまで,ますます高
度化していくことが予想されることから,このような社会において,今の児童生徒が情報化による様々
なメリットを享受し,情報及び情報手段を主体的に選択,活用できる能力の育成が学校教育に求めら
れています。また,今日の科学技術の進展には目覚しいものがあり,高度な科学技術に支えられた社
会に児童生徒がよりよく適応し,さらには,その発展を担うことができるよう,科学技術の進展に対
応した教育の改善充実も課題とされています。さらに,国際化の進展も,今後ますます本格化し,政
治・経済・教育・文化など,日常生活のあらゆる領域において多様で活発な展開が予想されることか
ら,このような社会に児童生徒が戸惑うことなく,主体的,積極的に対応し,その発展を担うことが
できるようはぐくむことが必要であり,そのための学校教育の改善充実が望まれています。一方,学
校週5日制が実施されたことに伴い,学校教育においても制度改正の趣旨を踏まえ,教育活動の改善
充実が課題となっています。
したがって,児童生徒の減少期に対応した学校教育の充実を図るため,小・中学校では,地域の実
情と住民の意向を考慮し,特色ある教育活動の展開に努めるとともに,高等学校では,生徒の志願動
向や地域の実態及び私学との関係等を考慮しながら,学校の適正規模と適正配置等の施策を積極的に
推進することが必要です。また,情報化や科学技術の進展に対応した教育の充実を図るには,情報活
用能力の育成に関する教育の一層の改善充実と情報化に対応した教育環境の整備充実及び科学技術の
進展を支える科学的な探究心の育成や環境問題等に対する関心と意識の高揚等を図る教育の改善充実
が必要です。さらに,国際化に対応した教育の充実のためには,更に広い視野に立ち,世界の中で信
頼される日本人の育成を目指した国際理解教育の本格的な取り組みやコミュニケーション能力の育成
を図る外国語教育の改善充実及び学校教育の早い段階から国際理解の芽を培うための交流の機会の拡
充などが必要です。
次に,学校週5日制の今後の実施に当たっては,国の動向や調査研究協力校の実証的な研究の成果
等を踏まえ,教育の質的水準の維持向上を図るとともに,児童生徒の自律的な生活習慣の確立や自主
的な活動の在り方に関する指導を充実していく必要があります。また,各学校及び教育委員会におい
ては,実態に応じて学校施設を積極的に開放するなど開かれた学校づくりを推進する必要があります。
ウ 社会参加・自立を目指す養護教育の充実
養護学校教育の義務制施行以来,養護教育の機会の拡充や教育内容・方法の改善充実など諸条件の
整備に努めてきました。この間,養護教育に対する期待は高まり,重度・重複障害児の教育や後期中
等教育について一層の充実が求められています。
このため,市町村教育委員会による就学指導が円滑に行われるよう指導,援助し,就学指導体制を
一層充実するとともに,障害の種類や程度に応じた教育が適切になされるよう養護学校や特殊学級の
適正な配置を推進し,教育機会の拡充を図ることが必要です。また,心身障害児の社会参加・自立を
促進するため,その基礎・基本となる能力を最大限に伸ばすことができるよう,児童生徒一入ひとり
の実態を考慮した教育内容・方法の改善充実や福祉・医療・雇用の関係機関等との密接な連携に努め
るとともに,健常者の障害に対する正しい理解や認識を深める施策の推進が必要です。さらに,養護
教育の対象となる児童生徒の障害の種類や程度は様々であり,画一的にとらえることはできないこと
から,学校教育の全体を通して個に応じた適切な指導が行われるよう,養護教育センターにおける研