第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-039/136page
このため,今後も,学校生活を中心とした集団生活を通して自立心をはぐくむとともに,児童生徒
一人ひとりの学習上のつまずきや生活上の悩みにきめ細かく対応できる教育相談体制の充実に努めま
す。また,集団生活への適応を促し,学校への復帰を支援するため,適応指導教室*の開設などの施策
の推進に努めます。
さらに,これまでの中学校の進路指導がとかく義務教育終了段階における就職や進学のための指導
に偏りがちであったことから,学級活動の時間を中心に選択教科や体験的な活動を通して一人ひとり
の生徒が自らの個性や可能性を発見し,目的意識をもって主体的に自己実現を図ることができるよう
指導,援助するなど,中学校における生活全体を見通して計画的,継続的に指導するよう努めます。
また,高等学校教育の多様化,弾力化のための諸施策に合わせて,高等学校体験入学への積極的な参
加の促進など,個に応じた進路実現を図るよう努めます。
【高等学校】
高等学校においては,生徒が国家・社会の一員としての自覚に基づき行動できる発達段階にあるこ
とから,自らの人間としての在り方生き方を考え,将来に対する目的意識や道徳的実践力を高め,主
体的に自己の進路を決定するとともに,生涯にわたって自己実現を図っていくことのできる能力を育
成することが求められています。
このため,ホームルーム活動をはじめとする特別活動の改善や選択科目の拡充など,教育活動の全
体を通して,計画的,組織的な進路指導を行い,進路目標を早期に確立させることにより大学等への
進学を一層推進するとともに,望ましい職業観の育成に努めます。
また,公民科をはじめとする各教科の指導において,自立の精神や社会連帯の精神,責任を重んず
る態度等の育成に留意するとともに,地域社会との連携に基づき,勤労や奉仕にかかわる体験的な学
習を取り入れるなど,ホームルーム活動や学校行事等の改善を図りながら,教育活動の全体を通して
心の教育の充実に努めます。
さらに,県立高等学校においては,中途退学者が,平成3年度で920人(全日制)となっており,こ
の中途退学の大半が,学校生活・学業不適応や進路変更など,基本的な生活習慣や学習意欲の欠如に
起因することから,今後は,中学校との連携のもとに,高等学校入学後の早い段階における実態の把
握と高等学校生活への適応指導の充実及び生徒との人間的ふれあいを重視した指導の徹底等を図ると
ともに,一人ひとりの生徒の悩みやつまずきにきめ細かく対応できる教育相談体制の一層の充実に努
めます。
(3) 健康教育と学校体育の充実
近年における都市化,情報化など社会環境の急激な変化は,児童生徒の日常生活において,運動する機
会の減少や精神的負担の増大,さらには,家庭における教育力の低下をもたらすなど,児童生徒の心身の
健全な発達に著しい影響を与えています。
したがって,学校生活においては,心の健康を含め,生涯にわたり健康で充実した生活を送ることので
きる児童生徒の育成が求められています。
また,学校体育においては,生涯スポーツと体力の向上を図る観点から,自ら進んで運動に親しみ,心
* 適応指導教室:登校拒否児童生徒を対象にカウンセリング,教科指導,集団生活への適応指導等を組織的,計画的に行う教育組
織。