第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-045/136page

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いては改善の余地があり,必ずしも生徒の多様な実態に十分対応している状況にあるとはいえません。

また,今回の高等学校学習指導要領では履修と修得の区分がより一層明確に示され,単位の認定及び

卒業の認定についての弾力化が図られていることから,今後単位制の望ましい運用とその活用が望ま

れています。

 したがって,各高等学校においては地域や生徒の特性・進路を踏まえながら,生徒の個性の伸長や

創造性の育成を図るため,多様な選択科目を設け,早期に選択して履修することができるような教育

課程の編成や実施に努めることが必要です。また,その際,国際化や情報化の進展に対応し,情報活

用能力や国際化社会に生きる日本人としての資質を育成することにも配慮する必要があります。さら

に,高等学校における単位制の趣旨を踏まえ,進級等の弾力化のための単位制の積極的な活用に努め

ることが必要です。併せて,高等学校に学ぶ生徒の多様化や家庭科目の男女必履修の実施に伴い,従

来の普通科と職業科の性格を併せ持った新しいタイプの学科の在り方や家庭科目の望ましい履修の在

り方について検討する必要があります。

(小・中・高等学校における学校週5日制への対応)

 平成4年度の第2学期から学校週5日制が実施されたことから,学校教育においては,調査研究協

力校における調査研究の成果等を踏まえ,教育水準の維持向上を図るとともに,児童生徒が自ら学ぶ

意欲と主体的に考え,判断し,表現できる資質・能力や自律的な生活態度の育成等に関する指導の充

実が望まれています。

 したがって,各学校においては教育課程の編成・実施の面で十分な検討を行い・教育水準の維持向

上が図れるよう教育活動の質的改善に努めるとともに,児童生徒の自主的,自律的な活動に関する指

導を充実していく必要があります。


(2) 自己教育力の育成と学力の向上

 今日,情報化,国際化,価値観の多様化などが進む中で,社会はかってない速さで複雑に変化しています。

このような中にあって,社会の変化に柔軟にかつ主体的に対応することのできる資質を兼ね備えた児童生徒

をはぐくむため,特に,困難に立ち向かう強い意志,生涯にわたって学習し続けようとする意欲,自己を見

つめ他人を尊重しつつ望ましい人間関係を築いていくことのできる能力を育成することが期待されています。

 本県でも,児童生徒のもつ可能性の開発,自主性や創造性の育成を目指して,生涯学習の観点にも配慮

しながら,小・中・高等学校における指導の一貫性を図りつつ,個人の能力・適性に応じた多様で弾力的

な教育活動を展開し,児童生徒一人ひとりが自らのものの見方や考え方をもって,主体的に判断し行動で

きる能力の育成に努めています。

 このような認識のもとに,本県児童生徒の学力向上を目指し,教育内容・方法の質的充実に努めていま

すが,学力の実態は十分とはいえない状況にあります。

 したがって,今後は,小・中・高等学校の連携を一層強化し,次のような課題の解決について努力する

必要があります。

 【小・中学校】

   本県作成の教科内容診断テスト(小学校4・6学年,中学校2学年の各学年900人を対象としたサン

  プル調査,平成2年度実施)によると,どの教科についても共通して,思考力,判断力,表現力等の

  能力の育成に努める必要があるという結果が出ています。


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