第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-047/136page
助手(AET)の配置拡充や中学校における英語の授
業時間を増やすなど,外国語教育の充実に努めるとと
もに,国際理解や国際交流に関する生徒の意識を高め
るための事業や教員の海外派遣の拡充等に努めできま
した。さらに,外国の学校との姉妹校提携も平成4年
7月現在では,小学校13校,中学校3校,県立高等学
校2校,私立高等学校1校となっており,国際理解教
育を積極的に推進する学校も増えていますが,各学校
の取り組みには程度の差がみられます。
したがって,各学校における国際理解教育の充実を
図るため,教科・科目や特別活動を通した国際理解教育の在り方や姉妹校提携の在り方に関する研究
を推進し,教員研修の充実などに努めるとともに,児童生徒の国際交流体験の拡充を図る必要があり
ます。
また,コミュニケーション能力の育成を図る外国語教育の改善充実や教員の海外派遣研修の拡充に
努めるとともに,高校生の海外留学と海外からの受け入れが円滑に行われるようその在り方について
検討する必要があります。
AETによる英語集中講座
(4) へき地教育の充実
本県におけるへき地の小・中学校が占める割合は,平成4年度において公立小・中学校の約26.7%であ
り,県全体の教育水準の維持向上のためにも,へき地教育の充実が望まれます。一方,へき地においては
時代の進展と社会環境の変化に伴い,過疎化や少子化傾向が進む中で児童生徒が減少しつつあり,複式学
級も漸増しています。へき地における学校教育は,少人数のよさや恵まれた自然環境を生かし,一人ひと
りの児童生徒の個性や能力に応じ,意欲的で主体的な学習態度の育成を目指していることから,「教育の光
はへき地から」と期待されています。
しかしながら,へき地における教育は少人数で学級が編制されているために,人間関係が親密であり児
童生徒も純朴で素直な反面,受け身で社会性や積極性に欠けるという指摘もあります。また,従来はとも
すると,へき地におけるメリットが日々の教育活動に生かしきれず,都市部の学校と同様の教育内容・方
法で実践されてきた傾向もあります。
したがって,今後は,引き続き教育諸条件の整備を図る一方,少人数の特性を生かした特色ある教育課
程の編成を通して教育活動や指導法を工夫改善するとともに,新学習指導要領に準拠した複式学級のため
の指導資料の作成・活用を通して教員の指導力の向上に努める必要があります。
また,児童生徒数の減少傾向に配慮して,都市部との積極的な交流を推進していく必要があります。
2 道徳教育・環境教育の充実
(1) 道徳教育の充実
道徳教育は,児童生徒の人間としての調和のとれた発達を図り,これからの社会の変化に主体的に対応