第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-048/136page
していくことのできる人間を育成する上で極めて重要な教
育活動であるとの認識に立ち,教育内容の再構成と重点化
を踏まえた全体計画の改善や年間指導計画の作成等により
道徳教育の充実を図っています。
小・中学校においては,これまでも教員の指導力向上の
ため,教育課程講習会,道徳教育実践講座,その他各種講
習会において,指導内容・方法についての研究を深めると
ともに,道徳教育研究学校の成果の普及や指導資料の活用
等を図ってきたところです。
しかしながら,社会環境の変化や価値観の多様化は,児
童生徒の生活や意識の上にも様々な影響を与え,道徳的判断力や実践力が伴わない状況もみられ,心の教
育の在り方が問われています。
したがって,今後は,豊かな体験による内面に根ざした道徳性の育成や実践力の向上を図るため,学校
及び学級における指導計画の改善充実,道徳の時間や特別活動における指導の改善など,学校教育の全体
を通して道徳教育の充実を図り,望ましい人間関係を醸成していく必要があります。さらには,学校と家
庭,地域社会との連携等に一層努める必要があります。
また,高等学校においては,小・中学校との一貫性を図り,公民科を中心とした各教科・科目やホーム
ルーム活動を中心とした特別活動全体を通じて,人間としての在り方生き方に関する指導を充実していく
必要があります。
老人ホームでの福祉活動
(2) 環境教育の充実
今日,ごみの間題,水質汚染など都市生活型公害や地球の温暖化,オゾン層破壊など,地球規模の環境
問題が深刻化しており,環境教育の重要性が指摘されてきています。このような環境問題は人間が豊かな
生活を求めることに伴い生じた問題であり,その解決のためには,一人ひとりの生活様式を環境に調和し
たものに変革していくことが求められています。
学校における環境教育は,特定の教科での対応だけでなく,学校教育の全体を通して行う必要があると
の基本認識に立って指導に当たっています。特に,今回の学習指導要領の改正においては,環境教育にか
かわる内容を重視していることから,各学校においては,小学校における生活科での取り組みを起点とし
て,各教科・道徳・特別活動の各領域での実践や自然教室・勤労生産学習・奉仕等体験学習の実施などに
より,自然とのふれあいを深め,自然を愛護することの大切さを理解させるよう努めています。
また,各教科においては,環境にかかわる目標や内容を指導計画に位置づけその達成に努力しています
が,環境教育は,特定の教育領域ではないことから,総合的,系統的に計画を立て,実践化を図るまでに
は進行していない状況にあります。
したがって,今後は,環境教育に関する総合的,.系統的な指導計画を作成するとともに,教員の指導力
の向上を図るための研修機会の充実に努める必要があります。また,環境への興味・関心を高める教材の
開発や自然体験の機会の積極的な確保を図るなど,環境教育の充実に努める必要があります。