第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-050/136page
また,学校週5日制の実施に伴い,広く生徒の自主的,自律的な生活態度の育成を図るため,生徒
指導の改善充実に努める必要があります。
(2) 進路指導の改善充実
進路指導は学校卒業後の就職あるいは上級学校選択の指導のみを行うものではなく,個々の生徒の能
力・適性等の発見と開発を前提としながら,生徒が自主的に進路を選択し,自己実現していくために必要
な能力・態度の育成を図る教育活動であり,将来の生活における在り方生き方に関する指導・援助です。
しかしながら,今日,中学校卒業者のほとんど
が上級学校に進学するという状況の中で様々な問
題が起こっており,進路指導の果たす役割が大き
くなっています。なかでも,無目的な進路先の決
定や学力不足による中途退学・進路変更は深刻な
問題となっています。
こうした点を踏まえ,生徒の将来における生き
方に関する指導や人生観・職業観などに立脚した
自己実現のための進路選択・決定への指導・援助
を充実するため,進路指導研究指定校の研究成果
の普及や学校における進路指導体制の確立,さら
には,学校・家庭・地域社会・関係機関との連携,
協力など一層効果的な進路指導の在り方を検討す
る必要があります。
一方,高等学校における進路指導の現状をみる
と,平成3年度の本県公立高等学校の卒業生の進
路状況は,図のとおりですが,大学等への進学率
は,全国に比して低位にとどまっています(図3−
1)。
図3−1 本県の公立高等学校(全日制)における
卒業者の進路状況(平成4年3月卒業者)
(資料) 「福島県統計調査課編 学校基本
調査報告書」から作成
また,当該年度に目標の大学に進学できなかったため,次年度に大学入試を受験することとしている者
の数も約10%となっています。
さらに,本県の高等学校を卒業し,就職した者の1年後の離職率をみると約20%であり,就職時におけ
る第1志望が十分達成されなかったことがうかがわれます。
したがって,進路目標が十分達成されていない現状を踏まえ,今後は,教科・科目の指導を通して,高
等学校生徒の一層の学力向上を図るとともに,大学入試制度の動向や産業構造・就業構造の変化等,進路
情報の的確な収集と活用,中学校と高等学校間及び高等学校相互の連携の強化を図り,有効な指導法の確
立に努める必要があります。
また,ホームルーム活動,学校行事などの特別活動において,進路講演会や勤労生産・奉仕的行事を実
施するとともに,進路相談の充実を図り,生徒が早期に進路目標を確立できるよう努める必要があります。