第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-058/136page
3月22日付け福島県後期中等教育審議会の提言を踏まえ,平成3年4月,安積第二高等学校に単位制によ
る定時制の課程を開設するとともに,さらに,平成5年4月には単位制による全日制の課程を開設するこ
ととし,福島県立いわき光洋高等学校として発足を予定していますが,学習ニーズの多様化や生涯学習の
観点から,学習機会の拡充に対する要請は,今後ますます増大することが予想されます。
したがって,今後は,生徒の多様な進路志向や地域・社会の要請,生涯学習に対する理解の深まりなど
を踏まえつつ,単位制による課程の拡充を図る必要があります。
(3) 定時制・通信制教育の充実
定時制・通信制教育は,勤労青少年の学習の場として,また,教育の機会拡大の観点から多様な履修形
態を提供する後期中等教育機関として,これまで大きな役割を担ってきました。
しかしながら,近年,社会が豊かになるにつれて,働きながら学ぼうとする,いわゆる勤労青少年の割
合が減少する一方,全日制課程からの編入学者や高等学校卒業資格を取得するための一部の科目の履修を
目的とする者,さらには,専門分野の職業的な資格取得を目的とする者などが増加しており,定時制・通
信制の課程は生涯学習機関としての役割が期待されています。
したがって,学習歴や生活環境が多様な学習者に対して,広く高等学校の教育の機会を確保するととも
に,生涯学習の観点から,学習指導内容や方法の改善等に努める必要があります。
6 教職員の資質能力の向上と適正配置
(1) 教職員の研修の充実
教職員の研修については,毎年度,「福島県教職員現職教育計画」を策定し,体系的,計画的な研修を進
めてきました。しかし,情報化,国際化等の社会の変化に対応した教育の必要性及び初任者研修の実施や
新学習指導要領への対応を進める必要が生じ,平成元年度に,教職に携わる全期間を通じて教員の経験と職
能に応じて,適切な時期に必要な研修の機会が得られるよう,研修体系を整備したところです(図6−1)。
研修体系においては,初任者研修等の基本研修,主任研修等の職能研修,カウンセラー講座や情報処理
教育講座等の専門研修及び国内外への派遣研修等の特別研修を実施するとともに,各学校における校内現
職研修の充実,また文部省・県の指定研究,プロジェクト研究,自主的な個人及びグループ研究等を奨励
するなど,教職員の資質向上に努めています。
しかしながら,研修の内容・時期及び研究成果の普及や資料の提供,支援体制等について,いくつかの
課題が残されているとともに,学力向上対策など緊要な課題に対応する研修・研究体制の改善が望まれて
います。
したがって,今後も,引き続き研修事業の精選,重点化を図りながら,研修相互の関連づけや研修の内
容・時期等について調整を行い,体系的・効果的な研修を推進するとともに,個人及びグループ研究への
支援や長期研修等の研修機会を充実し,教職員がその時々の教育課題に柔軟かつ適切に対応できるよう研
修・研究体制を整備していく必要があります。
特に,県教育センターにおいては,教職員の自主的研究を支援するため,施設・設備の開放等を図ると
ともに,他の研究・研修施設,大学等との連携を強化するなど,研修・研究機能の充実に努める必要があ