第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-103/136page
いますが,その分布を完全に把握するには
難しさがあります。
したがって,今後とも,埋蔵文化財包蔵
地の所在確認に努めるほか,大規模開発等
に対しては事前に分布調査を行い,開発事
業者と積極的に保存協議を行うなど,可能
な限り現状保存に努めるとともに,開発事
業によりやむを得ず破壊される遺跡については,記録保存のための発掘調査を実施し,埋蔵文化財の
保存の充実に努める必要があります。
表2−5 地域別遺跡数
年度/地域 県北 県中 県南 会津 南会津 相双 いわき 計 51 779 1,379 386 411 72 619 372 4,018 59 1,811 2,739 858 794 166 877 810 8,055 (資料) 文化課調査
エ 文化財防災設備等
文化財の保存対策として各種の防災設備・保存施設等の設置を図るため,文化財の所有者または管
理団体に対して補助金を交付するとともに,随時パトロール等を実施し,防災,盗難予防等に努めて
います。
しかしながら,指定建造物等の防災設備は,平成3年度末現在,66件の対象のうち,自動火災報知
設備・消火設備・避雷針の3種を備えているものは21件であり,その整備状況は必ずしも十分とはい
えない状況にあります(表2−6)。また,指定美術工芸品等については,特に,県指定重要文化財の
防災・防犯設備等の整備が遅れている上(表2−7),その多くが,寺社の本堂・本殿等に保管されて
いる状況にあります。
表2−6 指定建造物等の防災設備状況
文化財の種別 対象数 (注) 国宝・重要文化財 28 15 重要有形民俗文化財 4 1 県指定重要文化財 34 9 計 66 21 (注) 自動火災報知設備・消火設備及び避雷
針の全てを備えているもの。
(資料) 文化課調査(平成3年度)
表2−7 指定美術工芸品等の防災・防犯設備状況
文化財の種別 対象数 (注1) (注2) 国宝・重要文化財 59 26 20 重要有形民俗文化財 3 2 1 県指定重要文化財 191 39 36 県重要有形民俗文化財 29 5 4 計 282 72 61 (注) 1 自動火災報知設備・消火設備を備えているもの。
2 防犯ベル及び錠を備えているもの。
(資料) 文化課調査(平成3年度)
したがって,今後とも,防災設備・保存施設等の整備を図るとともに,日常的管理の強化に努める
必要があります。また,博物館等の保存・展示施設への管理委託についても検討する必要があります。
オ 文化財保存助成の充実
文化財の管理,修理,防災及び復旧のための経費は,所有者や管理団体が負担しますが,保存修理
等には多額の経費を要することから,国及び県指定文化財の保存事業については,国・県・市町村の
助成が行われています。また,埋蔵文化財保存調査事業に対しても,同様の助成が行われています(表
2−8)。
文化財保護法の施行後,保護すべき文化財としての指定文化財が着実に増加していることに加え,
近年は,文化財の修理・防災の事業はもとより,文化財の活用と公開の観点からも,史跡の公有化,
保存・整備の事業に対する助成の充実が求められています。また,埋蔵文化財保存調査等の事業の増