第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-105/136page
表等を通して保存・伝承が図られていますが,県では,県民の一層の理解を深めるため,民俗芸能
大会や民謡まつりを開催し,その発掘及び記録保存に努めています。
● 考古資料については,埋蔵文化財発掘調査により膨大な数量に達し,市町村等で整理,保管はさ
れてはいるものの,管理は必ずしも十分とはいえない状態にあります。また,これらの資料は大半
が公開されていない状況にあります。
したがって,今後とも,資料の整理等を進めながら展示・公開のための施設の整備や機会の充実を
図り,文化財の公開を促進することによって,文化財を新しい文化の創造に役立てていく必要があり
ます。
また,明日の文化の担い手となる児童生徒が,文化財に対する正しい理解と関心を深め,明日に向
けて新しいふるさとの文化を創造するとともに,貴重な文化遺産を次代へ伝えていくことができるよ
う,学校教育においても,文化財の愛護と活用に関する指導を充実する必要があります。
ウ 史跡の整備
県内の史跡等は,平成4年5月1日現在,国指定34件,県指定47件,市町村指定279件となっていま
す。各地域では,これらの史跡等を整備し,豊かなふるさとづくりに役立てながら,保存と活用を図
ろうとする動きが盛んになってきています。
また,史跡は,国,県及び地域の歴史・文化等を理解する上で欠かすことができないものとして保
護されていますが,今後の保存のためにも,公開と活用を図る必要があります。さらに,これらの史
跡等を整備し,広く県民生活の中で親しまれ,活用されるよう配慮することは,文化的で豊かな生活
環境づくりのためにも極めて有意義なことです。
したがって,今後とも,ふるさとづくりの一環として,史跡等の文化財を正しく保存,活用できる
よう,市町村に対する指導・援助に努めるとともに,計画的な史跡の整備を促進する必要があります。
3 文化施設の整備充実
(1) 文化活動の発表と参加の場の整備
県の文化施設の中核である県文化センターは,昭和45年に建設され,以来,本県の文化振興の拠点とな
ってきましたが,近年,大規模で多彩な催し物が多くなり,また施設の利用形態も多様化してきているこ
となどにより,施設・設備の面で改善が迫られています。
また,文化活動の発表や参加の場としての市町村立文化会館等は,それぞれの市町村の地域性に応じた
整備が進められていますが,設置されていない地域もあり,整備状況は必ずしも十分とはいえません。
したがって,県文化センターの施設・設備については,年次計画により改善充実を図るとともに,利用
者の要望の動向等を踏まえ,施設の整備充実について検討する必要があります。
市町村立文化会館等の設置については,多額の経費を要することから,地域の特性を生かした広域的な
利用施設の設置について検討する必要があります。
なお,学校週5日制が平成4年度の第2学期から実施されたことに伴い,県文化センターをはじめとす
る各種文化施設においては,子ども向けの多岐にわたる文化的諸行事の一層の充実と情報の提供が望まれ
ています。