第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-106/136page
(2) 文化財の保存と公開の場の整備
ア 歴史民俗資料館
文化財の保存・公開の場
として,屋内外の歴史民俗
資料館等の施設の整備が進
められています。平成3年
度末現在,類似施設も含め
て,市町村立の歴史民俗資
料館は46館ありますが(表
3−1),文化財に身近に親しむ機会や場の整備が求められている今日,文化財の保存・公開のための
施設の整備は,必ずしも十分であるとはいえない状況にあります。
したがって,今後とも,文化財の保存と活用を通して,地域の文化の理解と振興に役立てるため,
それぞれの実情に応じて,歴史民俗資料館の設置や既存施設の整備促進に努める必要があります。
表3−1 市町村歴史民俗資料館等の設置状況(平成3年度)(単位:か所)
地域/年度 県北 県中 県南 会津 南会津 相双 いわき 計 歴史民俗資料館 1 5 2 1 2 1 0 12 博 物 館 等 6 7 2 10 2 4 3 34 計 7 12 4 11 4 5 3 46 (資料) 文化課調査
イ 文化財の調査・研究,保存等を行う施設の整備
近年の大規模開発の進展や生活様式の変化に伴い,文化財の調査・保存及び保護事業は,各種の問
題に直面し,様々な解決すべき課題を抱えているのが現状です。
特に,開発に伴って発掘された土器や石器は,すでに膨大な量に達しており,今後,更に増加する
ことが予想されます。これらの文化財は,世代を越えて伝えられた貴重なものであり,発掘記録等と
ともに広く一般に公開され,埋蔵文化財の重要性と地域の歴史の理解のために活用すべきであること
から,その保護と公開のためにも,詳細な学術的研究と系統的な整理・保存が必要です。
したがって,今後は,文化財の調査・研究,出土品の整理・保存,文化財保護の普及・啓発等を行
うための拠点的な施設の整備について検討する必要があります。
(3) 美術館・博物館の整備充実
ア 県立美術館の整備充実
県立美術館は,県民の美術に対する知識及び理解を深めるため,昭和59年に開館して以来,多くの
県民に優れた美術作品の鑑賞の機会を提供してきましたが,近年における生涯学習の進展等を背景に,
更に多くの優れた美術作品を鑑賞できる機会の拡充が
望まれています。
したがって,今後も,利用者の動向を踏まえながら,
国内外の優れた作品の収集を図るとともに,県民に親
しまれる常設展及び優れた企画展の実施に努める必要
があります。
また,県出身作家等の調査・研究や教育普及事業を
実施し,本県美術振興の中心施設としての機能の充実
に努めるとともに,市町村立美術館と連携した移動展
等の事業を充実していく必要があります。
福島県立美術館