サクシード中学校英語から高等学校英語へ-009/31page
(2)全国的な学カテスト(高校1年生対象)の結果から
平成9年7月実施の全国的な学力テスト(高校1年生対象)の結果を見てみると、本県の生徒は他県の生徒と比べて、文章全体をとらえる問題(内容把握・要約など)と整序問題において劣っている。
A社高1学力テスト(平成9年7月実施)から
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発音・アクセント |
文法・語法 |
会話文 |
長文読解 |
長文読解 |
表現力 |
本県平均得点率 |
51.3 |
34.5 |
76.0 |
38.8 |
22.2 |
50.8 |
全国比 |
91 |
92 |
103 |
89 |
85 |
91 |
(3)英語に対する意識と学力の分析
1)意識の問題……英語嫌い
上記2の(1)(2)から、本県生徒の英語における学力向上を図るためには、まず第一に「わかる授業」「魅力的な授業」を推進し、英語嫌いの生徒をできるだけ減らし、英語好きな生徒を増やすことがポイントだと考えられる。
しかし、生徒が「英語が嫌いだ」「英語がわからない」と言う場合には、様々な要因が関係していることが多い。例えば、
○「英語が書けないから(読めないから)、英語が嫌い」というタイプの生徒は特に初歩の段階で多い。英語の発音とスペリングの関係は他の言語に比べて非常に難しいと言われており、その規則性をある程度生徒に示し、身に付けさせる工夫が必要だと思われる。
○「英語は好きだが、定期考査などの大きなテストでいい成績がとれない」というタイプの生徒は、次第に英語嫌いになっていく場合が多い。大きなテストだけではなく、毎時間の授業の中で英語の4技能をバランスよく評価し、新しい学力観に基づいて生徒の意欲・関心なども評価に取り入れていく工夫をさらに推し進めていく必要がある。
○中学校と高等学校では授業の速さも違い、また指導形態も中学校ではグループワークが多いのに対して高等学校では一斉指導型が多いなど、中・高の授業に関する違いは少なくない。さらには、中学校で学ばなかった文法用語などが高等学校では何の説明もなしに突然使用されることもある。生徒の側に立った、指導の配慮が必要とされる。
2)学力の問題
上記3の(1)(2)から、本県生徒の英語に関する弱点をカバーするためには、「文章全体をとらえる力」「単語を英語の発想の順序どおりに組み立てる力」を育てる必要がある。中・高それぞれに違った事情があり、それを踏まえた改善のポイントが考えられる。例えば、
○中学校の教科書では口語英語による対話文の形式になっている単元が多く、いわゆる長文形式になっている単元(Let'sRead等)は非常に少ないのに対し、高等学校では英語1を始め、長文が主である。このことを踏まえ、生徒が長文に対してもスムーズに慣れていくことができるように、中・高双方の指導が対話文と長文とのバランスに配慮した指導に歩み寄っていくことが必要である。
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