サクシード中学校国語から高等学校国語へ-029/43page
◆辞書の積極的な活用により言葉の意味を深め、内容理解を目指した授業展開の例 高等学校
(同じ教材を高等学校の立場から扱った場合の例)
古語辞典を授業の中で積極的に活用し、現代の用例との違いや言葉の持つ広がりに注目させるとともに、中学校で学習した和歌の修辞技法や口語文法の知識をもとに、男たちの心情を中心とした内容の理解を目指した授業展開の例である。
本時の目標 ○辞書の積極的な活用を通して、言語感覚を磨くとともに古典に親しむ態度を養う。 ○助動詞の文中での働きに着目し、正確な口語訳をする姿勢を養う。 ○和歌の修辞技法を理解し、人物の心情を把握する。 過程 学習活動・内容 時間 指導上の留意点 導入 1 本時の学習目標を確認する。 5(分) ○中学校で学習した内容であることを確認するとともに、作品についての印象を確認する。 辞書の活用を通して、語句の意味を理解するとともに、人物の心情を理解する。 展開 2本文の斤読をする。 5(分) ○古文の読みに慣れさせ、和歌のリズムを正しく把握できるように声を出して読ませる。また、歴史的仮名遣いにも注意させる。 ・範読 ・各自音読 ・指名読み ・一斉読み ・和歌のみの一斉読み 3 古語辞典により、難解な語句、古文特有語、古今異義語など重要な言葉を確認する。 35(分) ○文脈の中で意味をとらえるように指示する。また、辞書の引き方に習熟していない生徒には、個人指導をするなどの配慮をする。 ・要なし ○助動詞については、中学校で学習した口語文法との関連を意識させるとともに、用例を確認させる。 ・思ひなす ・下りゐる ・乾飯 ・おもしろし ・助動詞 「じ」「べし」「けり」「き」「ぬ」 4 全体の流れを確認するとともに、適宜口語訳をする。 ○全訳だけにこだわらず、文末表現に焦点化することにより、助動詞などの定着を図る。 ・「思ひなして、」 ・「兄にはあらじ、」 ・「いとおもしろく咲きたり。」 5 和歌の修辞技法を確認する。 ○ただ教え込むだけでなく、修辞技法を生徒自身に発見させるように発問に工夫する。 ・序詞 ・枕詞 ・縁語 ・掛詞 ・折り句 6人物の心情についてまとめる。 ○ノートに自分の考えを書かせる。次時の発表に備える。 ・和歌の内容をもとに考える。 ・当時の旅について想像する。 終結 7 本時のまとめをする。 5(分) ○和歌や重要語句について触れることで学習内容の確認をする。 8 次時の予定を知る。 ○次時までに和歌の暗唱ができるよう、音読の練習を促す。 人物の心情について発表し合うことにより、物語の内容を把握する。 (時間配当等は、各学校の実態に応じて行う。)