サクシード中学校数学から高等学校数学へ-010/35page

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第2章 各領域における学習指導のポイント
§1 数と式

数と式における学習指導のポイント(中学校)

1 高等学校とのつながりを考えたときの指導上の配慮事項

(1)文字の使い分けとその意味を理解させること
文字の使い分けを理解させておくことは、高校における抽象的な文字の使用のために必要不可欠である。

(2)平方根の意味を理解させてから、計算等を進めること
無理数や平方根の意味を実感を伴って理解させる必要がある。
実際の指導は、文字式3x+2xのxを、√3に置き換えて形式的に計算するような計算法則の指導だけに終始しがちである。

(3)多項式の計算法則や因数分解の公式等を、イメージを持って理解させること
公式を暗記して適用するだけでは、応用力(生きてはたらく力)にならない。


2指導のポイント

(1)文字の使い分けについて、具体的に例をあげて理解させる。
1)変数:関数y=3xのx、yのように、変化していろいろな値を取る数
2)定数:関数y=axのa(xの係数)のように、変化しない数
3)未知数:方程式3x=1のxのように、条件を満たす特定の来知の数

(2)平方根の計算の意味を図形上で理解させる。
方根の意味を面積が与えられた正方形の1辺の長さとして理解させるとともに、例えば右のような面積図を利用して、√12=√3+√3=2√3となることを、より深く鮮明に理解できるような指導の工夫をする。
平方根の計算の意味を図形上で理解させる

(3)近似値や作図により、根号のついた数を具体的な数として理解させる。
近似値:
√2≒1.414、√3≒1.732
√5≒2.236、√6≒2.449
作図: 三平方の定理を利用して無理数の大きさを実感させる。
 
近似値や作図により、根号のついた数を具体的な数として理解させる

(4)多項式の計算法則を、面積図から作り出し実感を伴って理解させる。
多項式の計算法則を、面積図から作り出し実感を伴って理解させる

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