サクシード中学校数学から高等学校数学へ-022/35page

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§4 確率
確率における学習指導のポイント(中学校)

1 高等学校とのつながりを考えたときの指導上の配慮事項
(1)確率の意味を理解させる指導の工夫をすること
計算のみに終始せず、具体例を通して確率の意味を考えさせる指導の工夫が必要である。

(2)高等学校における場合の数へのつながりに配慮して指導すること
中学校では、硬貨やさいころなど、具体的な題材に対して、樹形図や表、順序対を用いて、もれなく重複なく場合の数を数え上げさせる。しかし、高等学校では、場合の数も複雑になり、求め方も、次第に具体例から離れ、条件に応じてnPr、n!、nCr等の記号を用いて抽象化して計算するようになる。
中学校では、場合の数を単独では扱わないので、教材の中の具体的な問題例を通して、順列と組合せの違い、和の法則と積の法則の違い等について気づかせる指導の工夫が必要である。


2 指導のポイント
(1)事象の実験を通して、確率の意味や考え方を理解させる。その際、多数回の実験とともに、コンピュータを利用したシミュレーションの活用も図る。
1)さいころを投げたとき、何の目が出やすいか実験する。
2)画びょうを投げたとき、針が下を向く確率を求める。
3)2枚の硬貨を投げたとき、表と裏が1枚ずつになる確率を求める。

(2)数え上げの際、樹形図や表、順序対を積極的に活用させるとともに、場合分けを意識した指導に心がける。
1)3枚(4枚)の硬貨を投げるときの表と裏の出方→樹形図
2)2つ(3つ)のさいころを投げたときの目の出方→表、順序対
3)4人の中から2人の委員を選ぶ方法→樹形図
【場合分けを意識した指導例】
2つのさいころを投げて出た目の積が偶数→偶偶、偶奇、奇偶に分ける。

(3)標本空間(すべての場合)を意識させる指導をする。
確率を求める際に、起こりうるすべての場合をあげさせ、すべての場合を書き出して図に表し確認したうえで、その事象の起こる場合の数を数えさせる。
 
 【例】奇数の目が出る確率
【例】奇数の目が出る確率

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