サクシード中学校数学から高等学校数学へ-023/35page

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個数の処理・確率における学習指導のポイント(高等学校)

1 中学校とのつながりを考えたときの指導上の配慮事項中学校における学習内容の確認をして指導に当たること
1)場合の数を単独では扱っていない。確率の中で、簡単な場合の数を求める学習をしているが、図や表を用いて求めることが中心であり、積の法則や和の法則については用語を含めて直接は扱っていない。
2)樹形図等を有効に使う態度を養うことに力点を置いて指導している。
3)事象を集合として扱うことはしていない。集合については、整数の集合(中1)、直線のグラフを点集合として考えること(中1)、不等式の解の集合(中2)などで触れる程度である。
4)分母がnのような一般的な場合の確率の計算は扱っていない。


2 指導のポイント
(1)中学校における学習内容をその定着度とともに確認する。
確率の分野は中・高の関連が特に深いので、中学校の学習内容と定着度を確認することにより、高等学校の学習内容やその指導に軽重をつける工夫をする。
(2)場合の数は、確率の学習の基本になることを意識し、定着を図る。
1)あることがらが起こりうるすべての場合を整理し、もれなく重複なく、規則的に数え上げることができるようにする。その際、中学校で学習した樹形図や表、順序対の活用を図る。
2)「積の法則」、「和の法則」については、数学2で扱う加法定理、独立試行、数学Bで扱う乗法定理との関連が深いので、「かつ」や「または」の用語との対応とともに定着を図る。
3)身近にある代表例を通して順列と組合せの意味とその相違点を知らせ、nPr、nCr等の記号や公式等の的確な・活用を図る。
(3)根元事象と全事象、和事象と積事象、排反事象、余事象等の意味を集合との関連を含めて代表的な事象で図示し、イメージ化して理解させる。
数学Aの集合の領域における、全体集合と部分集合、和集合と共通部分、和集合の要素の個数、補集合等との関連に配慮して指導する。

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