平成11年度福島県児童生徒の健康、体力・運動能力の現状-018/55page
5 結果の活用
1 標準偏差 (SD)
標準偏差とは、データから平均値を基本にして、集団の散らばり具合を示す度合いである。標準偏差が大きい場合は、その集団の散らばりが大きく異質集団であり、小さい場合は、集団の散らばりが小さく等質集団であると言える。
2 T-スコア
個人の記録を総合的に比較し、集団の中でも相対的な位置を知ろうとする場合、異種目のものの比較や同一種目であっても異単位なものの比較を可能にする手続きが必要となる。その代表的なものがT-スコアである。
T-スコアとは、集団の平均を50点に、そこから標準偏差の1倍離れたものを40点と60点に、2倍離れたものを30点と70点に換算した値である。
○ 計算のし方
T-スコアは、個々の測定値(X)、平均値(M)と標準偏差(SD)を使って、次の公式で求めることができる。
T-スコア=(X-M)/SD×10+50
なお、50m走や持久走のように、数値が小さいものほど記録が良いものについては、計算の際に符号を反対にする。
また、平均値と標準偏差は、全国の値、県の値、学校の値などいろいろ使い分けることができる。下の表は、小学校6年男子の集計結果である。この表から、全国と県、県とA小学校、県とB君の関係をT-スコアにより比較をすると次のようになる。
<小学校6年男子集計表の例>
項目 全国平均値 全国標準偏差 県平均値 T-スコア1 県標準偏差 A小学校平均値 T-スコア2 B君測定値 T-スコア3 50m走(秒) 8.93 0.75 8.87 50.80 0.83 8.67 52.41 7.79 63.01 長座体前屈(cm) 38.56 6.96 41.05 53.58 7.25 39.88 47.01 42.31 51.74
○ T-スコア 1 (全国と県)
<50m走> T = -(8.87_08.93)×10/0.75+50=50.80
<長座体前屈> T = (41.05_038.56)×10/6.96+50=53.58
○ T-スコア 2 (県とA小学校)
<50m走> T =−(8.67_08.87)×10/0.83+50=52.4
<長座体前屈> T = (38.88_041.05)×10/7.25+50=47.01
○ T-スコア 3 (県とB君)
<50m走> T = (7.79_08.87)×10/0.83+50=63.01
<長座体前屈> T = (42.31_041.05)×10/7.25+50=51.74