平成11年度福島県児童生徒の健康、体力・運動能力の現状-019/55page
一般にT-スコア(偏差値)を用いて5段階評価をする場合には、優(65以上)、中の上(55〜64)、普遍(45〜54)、中の下(35〜44)、劣(34以下)のような基準になる。
しかし、本冊子で取扱っている全国との比較の中で示したT-スコアについては、平均値の差の検定結果との関係から、およそ右のの図に示した基準でその相対的位置を判断することができる。
3 平均値の区間推定
全国や県の平均は母集団の一部の標本からの値であるので、100%の確信をもって断定することができない。どうしても幅つきの推定にならざるを得ないが、この幅や確立の値は、理論的に決まっている。
定理 大きさがN (Nは極めて大)、平均値がm、標準偏差がσの母集団から、大きさnの、すべての標本を抽出し、各標本についてそれぞれ平均値を求めておくと、この平均値たちの分布は、nが大のときは、ほぼ、平均値がm、標準偏差がσ/√nの正規分布をなす。
<有意差検定の例>
下の表は50m走の集計結果の例である。本冊子のP7では5%有意水準により「○:全国より上回る」と表示してある。その比較の仕方は次の計算による
区別 標本数n 平均値m 標準偏差σ 国 883 8.91 0.72 県 1253 8.84 0.67
○ 県の平均値の信頼度95%の信頼区間は8.84±1.96×0.67/√1253=8.84±0.04
信頼区間は 8.88〜8.80
○ 国の平均値の信頼度95%の信頼区間は8.91±1.96×0.72/√883=8.91±0.05
信頼区間は 8.96〜8.86
国 県 8.80 8.84 8.86 8.88 8.96 信頼度95%で国より上回る。
※ M(メモリー)つき電卓を使用する場合は1.96×0.67/√1253の計算は
MC⇒1253⇒√⇒(M+)⇒1.96⇒×⇒0.67⇒÷⇒MR⇒=
※ 1.96は有意水準5% (信頼度95%)のときの定数。1% (信頼度99%)のときは定数は2.58。