サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-038/81page
12)新聞から情報を得る
一新聞を情報源にして考える一
●新聞からの情報をもとに考える
新聞は生きた教材といえます。NIE(Newspaper in Education 教育に新聞を)なども行われており、様々なジャンルの内容についてリアルタイムで飛び交う情報を、的確に把握することは、これからの国語科教育においても意味のあることだといえます。
自分の考えを自分一人の力で形作ることは容易なことではありませんが、新聞に掲載してある情報や他の意見をもとに考えを深めることは有効な方法といえます。単に情報を得るためだけでなく、その情報や考え方に対して反論を考えることにより、自分の考えを多面的にとらえることが可能になります。例えば"新聞の投書欄に目を通し、それに対する反論等を短い文例で書き表すことを繰り返すことにより、考えを深めることも一つの方法です。
投書欄をもとに考える
ア 投書欄の文章の内容を正しく読み取る。
・何についての主張なのか。
・どのような内容なのか。
・その根拠は何か。
イ 反論をするときには、「何の」「どのようなことへの」反論なのかをはっきりさせる。
ウ 感情論に陥ったり、自分に都合の良い一面的な態度で、論を押し切らないようにする。工合理性・妥当性のある論証によって論を展開する。
オ 論の型を考える。
・「なぜなら」型を使って書く。論の証明となる具体的な事実等を大切にする。
・「なるほど」「たしかに」「しかし」というようなつなぎの言葉を用いて書いてみる。
新聞から情報を得る
●スクラップブックをつくる
私たちの身の回りには考える材料は数多くあります。興味・関心のある新聞の記事や、雑誌の切り抜きを集めておくことは文章を書く上で大切な財産になります。普段から意識して自分のテーマに沿ったスクラップをしておくと便利です。社説、天気図、コラム、写真、投稿、川柳、何でもかまいません。自分なりの観点で記事を集めていくことから始めるのです。
また、投書欄を活用することも思考力を伸ばすよい方法です。投書の内容に対して反論を試みたり、同意見を発展させたりすることも授業ですぐに実践できる方法です。
授業の窓
中学校の教科書から
●説得力のある文章の書き方
・材料の条件
書き手が直接に体験した事実は、材料として有効である。また、人から聞いたことや、テレビ・ラジオ・新聞・書物などから得た情報も、材料になる。いずれの場合も、事柄が正確で、出所に責任のもてるものであることが大切である。
(「国語3」光村図書P.168)
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