サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-039/81page
考えてみよう
■次の新聞の投書文に対して自分の意見を述べてみよう。
(段落の初めの言葉を工夫してみよう。)
司馬遼大郎さんは、『草原の記』で、モンゴル民族について「奇跡的なほどに欲望すくなく生きている」と感動的に語っている。別の作家も「寡欲の民」と称し、対して我が民族を「過欲の民」と嘆いている。同感である。
話は大きくなるが、新しい世紀のキーワードは、核廃絶を含めて「欲望の制御」の一点にあると思う。過ぎたるは及ばざるがごとし、我々は今、有り余る物と大量の廃棄物に押しつぶされかけている。
なるほど、豊かになった、便利になった、しかし、なり過ぎた。大地も大気も汚しきった。やがて資源も使い果たすだろう。ごみの捨て場もなくなる。このままでは自滅を待つだけだ。
地球と人類が生き延びるためには、好むと好まざるとにかかわらず、欲望の制御が不可欠である。
人間の暮らしには、それほど多くの物は要らない。しかも、出生率が今のままだと、我が国の人口は百年後に半減するという予測もある。少なくとも内需の減少は必然ではないか。
幸せというものがあるとすれば、足るを知ることに尽きる。つまり欲望の制御である。
(朝日新聞投書欄 平成十一年一月三日)
例
たしかに、この人が述べているように現代の私たちは欲望を制御できなくなっていると思う。
しかし、考えてみると、
実際に、
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