サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-064/81page

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他者の眼で見る
―推敲のポイント―

●他人の眼を持つこと
 推敲において大切なことは、「他人の眼」を持つことです。実際に他の人に推敲してもらう方法のほかにも、他人の作品と思い込んで推敲する方法、時間をおいて後から冷静な目で推敲する、一種の「発酵」を待つ方法なども考えられます。推敲にあたっては、次のような観点があります。

○ 主題や要旨は明確か。
○ 文章の組立はわかりやすいか。(文や段落などは整っているか。)
○ 語句の使い方は適切か。(誤字・脱字・当て字などはないか。)
○ 句読点の使い方や表記は適切か。
○ 題名と内容の関係は適切か。(自分らしい文章になっているか。)
○ 全体としてわかりやすい文章になっているか。


●声に出して読むこと
 また、推敲に当たっては、声に出して読むことが効果的ですし、清書し直すことも大切なことです。推敲し、清書した段階で、スピーチをするなどして、音声として他者に伝えることによって、わかりにくい表現や、不適切な言葉に気がつく場合もあります。

推敲の着眼点 呼応という視点

1)主・述の呼応………文の骨格となる主語と述語が呼応しているか確認する。
2)修飾の呼応…………形容詞や副詞の係り具合が適切であるかどうかの確認をする。
3)叙述の順序の呼応…総論から各論への移行、抽象論から具体論への移行を確認する。
4)視点の呼応…………書き手と読み手との呼応、目的と内容について確認する。

他者の眼で見る

●自己添削・相互添削
 推敲をすることは、文章を書いたり、表現する上で欠くことのできない重要な作業です。
 自分が書いた文章を一度他の人に読んでもらうことや、時間をおいてもう一度読み返すことにより、よりよい文章に近づいていきます。
 作文や小論文指導を行う場合に、教師が文章を添削するだけでなく、生徒同士に相互添削をさせて、提出する前に原稿を確認してから提出することを決めておくことによって、生徒の意識をかえることもできます。
 また、文章の良し悪しを見分ける目を養うためには、分かりやすい、よい文章を多く読む機会を設けることが大切です。

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