まえがき
21世紀を担う生徒一人一人がこれからの社会において,心豊かに,主体的,創造的に生きていくことができる力を確実に身に付けるようにするためには,基礎的・基本的事項を確実に身に付けるとともに,自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などの資質や能力の育成を重視する教育の推進が図られなければなりません。
新しい学習指導要領においても,生徒に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で,自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに,基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実に努めることが求められております。
本県では,生徒一人一人が自らの在り方生き方を考え,目的意識を持って主体的に自己の進路を選択し,その希望を実現するための確かな学力を身に付けることができるよう,小・中学校においては「学力向上IDプラン事業」,高等学校においては「学力向上サクセスプラン事業」の推進に努めております。
本県生徒の学力の向上を考える上で,中学校と高等学校における学習指導の連携を図ることはきわめて重要であります。このことから,「学力向上サクセスプラン事業」の一環として,「中・高連携学習指導研究委員会」を設置し,国語,数学,英語の3教科について,中・高の学習指導の連携に関する研究を進めるとともに,指導の連携を図る一助として昨年度の「サクシード」に引き続き本書を作成いたしました。
中学校から高等学校へと校種は変わっても,生徒の学習活動は連続しています。各学校においては,生徒が中学校から高等学校へとスムーズに学習を進めることができるよう,わかる授業,考える授業を工夫するための参考資料として,本書を積極的に活用されるようお願いいたします。
終わりに,この冊子の作成にご協力くださいました委員の方々に心より感謝申し上げます。
平成11年3月
福島県教育庁義務教育課長　加藤征男
福島県教育庁参事兼高等学校教育課長　古市孝雄