サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-024/69page

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6 整式の除法とA=BQ+Rの関係式(数A「数と式」)
関連:前 除法の性質(小4)後 剰余の定理(数2)

1 つまずきの内容
数学A「整式の除法」(主に1年),数学B「高次方程式」(主に2年)で,2次式を1次式で割ったときの余りを求める問題がある。

(問題)次の整式Aを数式Bで割り,商と余りを求めよ。
A=2x2+7x+5   B=x+3

この問題におけるつまずきは,次の通りである。
○割る数(B),割られる数(A),商(Q),余り(R)の関係を理解していない。
○商を立てることができない。
○縦書きの文字式の引き算で,符号や同類項の計算を誤る。

2 つまずきの分析
(1)割り算の式(A÷B=Q余りR)⇔かけ算の式(A=BQ+R)(小4)の理解が不十分である。
割られる数(A)=割る数(B)×商(Q)+余り(R)の式になることは,的な数の関係では理解しているが,数式の関係になると同じように扱えない。

(2)式の次数の理解が不十分なために,最高次数に着目して商を立てることができない。
2x2+7x+5をx+3で割るとき,どこに着目して何をすれば商2x2が立つのかがわからない。

(3)縦書きの引き算に不慣れであるために,簡単な引き算を誤る。
係数でなく,文字の項を引くなどの基本的な誤りをする。(例2x2-x2=2)特に割り算の中に出てくる縦書きの引き算はマイナスがついていないために誤る。

3 つまずきへの対策
(1)割り算の式をかけ算の式に変形できることを段階的に理解させる指導をする。
1)整数を用いて割り算とかけ算の関係を理解させる。(→中・高ともに)
275÷13=21余り2⇔275=13×21+2

具体的な整数を用いて,実際に割り算をさせてみる。割り切れても割り切れなくても,割り算の式は必ずかけ算の式になおすことができる。また,具体的な割り算の筆算の過程から次の位の数字が繰り下がって使うことを意識させるこが必要である。

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