サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-023/69page
3 つまずきへの対策
(1)因数分解の意味を正しく理解させるために(→中学校で重点的に)
1)素因数分解との対比により,因数分解の意味をとらえさせる。
素因数分解→積の形に分解して,数のしくみを明らかにする。
因数分解→積の形に分解して,式のしくみを明らかにする。
24=4×6 2x2y-8xy+6y=2y(x2-4x+3)
=2×2×6(不完全) ↓ (不完全)
=2×2×2×3…………一意表現……2y(x-1)(x-3)
(2)因数分解の意味と方法の理解を一層深めるために(→中3,数Aで)
因数分解により1次式の積に分解することで,2次方程式や2次不等式が解けるという因数分解の持つ意味やよさを理解させる。また,因数分解の指導過程に,生徒自身に問題作りをさせる場面を設定する。
(3)共通因数のくくり出しを正しく理解させるために(→中3,数Aで)
1)数式計算における約分場面でも共通因数のくくり出しを利用する。
2)共通因数が式の場合は置き換えて,式をよりシンプルにする。
(4)式の形を見抜き,見通しを持った計算力向上のために(→中3,数Aで)
因数分解の学習のまとめとして因数分解のアルゴリズム化を図る。
(ア)共通因数のくくりだし
(イ)式の特色に着目した公式の利用→どの公式を使えばよいかを判断する練習
(ウ)公式が直接利用できない場合の工夫
(1)共通因数をくくり出して公式利用
(2)ひとかたまりの部分を別の文字で置き換え
(3)項の組合せ→中学校,1文字中心に整理(最低次数の文字に着目)→高校
(エ)分解は最後まで実行
(ウ)では既習事項との関連を図り,多様な考えとつまずきを利用した授業の工夫をする。このとき,
次のような中・高の問題の関連を意識して,指導を進めたい。
《中学3年》
a(x-y)-x+y
↓
《高校数学A》
xy-x-y+1(2項の組合せで解決)
a2+b2+bc-ca-2ab
(1つの文字について整理して2項の組合せ)
2x2+2ax+3x+3a
(aについて整理→2項の組合せ)
(xについて整理→2次3項式→たすきがけ)
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