サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-026/69page

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7 式を含む絶対値をはずすこと(数A「式の計算」)
関連:前 絶対値の扱い(中1)後 絶対値を含む関数(関数の応用問題)

1 つまずきの内容
○「次の絶対値をはずしなさい」の誤答例
1)|x-2|=±(x-2)
最も多い誤答で,方程式|x|=2の解がx=±2であることなどと混同している。

2)|x+3|=x+3や|x-5|=-(x-5)
「正のときはそのまま,負のときは-を付ける」を+3,-5で判断している。

3)|x-3| x≧0のとき,|x-3|=x-3
      x<0のとき,|x-3=-(x-3)

場合分けの必要性を理解しているものの,理解が不十分で0との比較という|a|の定義と同じ場合分けを行っているものである。

2 つまずきの分析
(1)中学校での絶対値についての扱いと高校での扱いの違いにとまどう。
中学校での絶対値は「数直線上で,数に対応した点と原点の距離」として定義され,絶対値記号の中には常に具体的な数値のみが入れられており,文字を含むものは扱われていない。高校で初めて絶対値記号の中に文字式が入ったものが扱われ,文字に代入される値によって個々に考えるという内容を初めて学ぶことになり,中学校数学とのギャップの中で混乱するケースが多い。

(2)文字で表された数の符号の混乱
1)aと書かれたら正の数,-aと書かれたら負の数をイメージしてしまうという錯覚がその原因の根本にある。

2)例えば|x|=2を満たすxの値がx=±2となることと,不明な値xについての|x|の絶対値を外す作業を同一視してしまい,場合分けをせずに|x|=±xとしてしまう。

3 つまずきへの対策
(1)中学校で学習した絶対値の意味を確認し理解させる。(→数Aで)
絶対値の意味を|2|と|-2|を用いて説明しなさい。
○単にマイナスを取れば良いと理解すると,aが負のとき-aが正の数となることの理解が難しい。数直線上で正負をとらえ,数としての意味を理解させる。技術的には,「マイナスを取るのではなく,付ける」と指導する。

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