4 高校入試の文章題(数と式)(中,高ともに)
1 つまずきの内容
自然数nを7で割ると,商がxで余りが3となった。このときxをnの式で表しなさい。(H10高校入試2(1),県正答率22.6%) n=7x+3が成り立つことから,正解はx=n-3/7となる。
誤答はx=n/7-3が最も多く,誤答の半数を超える。続いてx=n/7+3が10%台,その他は若干で,記入無し,7n-3,7n+3,n-21と続く。(M高校の場合)
2 つまずきの分析
1)問題の分析
解法の流れは次のように考えられる。
問題の分析→知識との照合→題意からの立式→xについて解く
商と余りの問題 n÷7=x余り3 n=7x+3 x=n-3/7
2)立式をしないで問題文から直接答えを求めている。
間違いの多くは文字や数値の関係を考える際に,n=7x+3というnについての立式の段階を経ないで,問題文中の「自然数nを7で割ると」との記述から,n/7が作られ,「余りが3となった」からn/7-3が導かれているのではないかと考えられる。
3)立式するにしても直接「x=」としている。
間違いの理由が推定できるケースに共通して言えることは,直接「x=」で式を立てているのではないかということである。求めるものがxであるため,問題文に沿ってすべき立式の順序を無視し,性急にxについての式を立てようとして誤りに陥っている。
文章から式を取り出すことは最も数学らしいものの見方であるが,この考え方を体系的に積み上げてこなかった者にとっては,答えを急ぐ(答を直接求めようとする)ところにつまずきの原因があると考えられる。