3 つまずきへの対策
(1)問題の分析をさせる
次のように,問題の内容をトレースしたり,形にとらわれずに図式化してみる。
nを7で割ると3余る。あるいはn÷7=x余り3 ↓
n-3を7で割ったら割りきれる。その商がxなのだから(n-3)÷7=x ↓
n-3/7=xが成り立つ。よって,x=n-3/7 (2)基本的知識の整理をさせる
例年文章の文字による表現に関する出題がなされているが,平均点の出し方(H7),や百分率(H8)など,知識との照合の段階でつまずくことのないよう,「知っていて当り前」と教師が思うような基本事項でも整理確認をすることが必要である。
また,式の表現について,(n-3)÷7,n-3/7,(n-3)/7,1/7(n-3)が,皆同じことを意味していることも,生徒にとって混乱を招く要因であると知った上で指導しなければならない。
(3)直接求めずに,条件に沿って関係式を作成させる
つまずきを感じている生徒の多くは,段階を踏んで考えを進めることを苦手にしている。そのため,一足飛びで「x=」の立式を考えてしまい結論にたどり着けていない。こうした思考方法は,様々な要因があって長い間に形成されてきたもので根本から改善することは難しい。しかし,日常の学習活動の中で教師が発問の仕方等を工夫することで,改善する部分もあると思われる。
例.「nを7で割ると3余る」⇒「いくつなら7で割りきれるのか,nで表すと?」
着眼点を変える思考を指導する。与えられた条件などから作ることのできる関係式を,順序や要・不要に関係なくつくることによって,考える姿勢を指導することができる。
それが,ひいては求めるものを中心とした式の立て方を改めさせるきっかけになるものと思われる。
(4)関係式から結論を求める。
すべての条件を関係式として表したところで,関係式からどのようにして結論を求めるのかえを考えさせる。これに必要な計算力を身に付けさせることが必要である。