中・高連携のために-053/136page
3 確率の基本性質……1
4 和事象の確率……4(本時4/4)
5 余事象の確率……2
節末問題……1
5 本時の目標
1つの事象の確率を求めるとき、その事象を2つに分け、和の法則(加法定理)を用いて確率を求めることができる。
6 中・高連携の視点からの授業構想
○身近な話題を取り上げた課題設定の工夫
課題解決の意欲を高めるために、本時は身近な日常生活で見られる「くじ引きの順番による有利・不利」の問題を取り上げた。この問題は、生徒にとって感覚的にそれぞれ違った考えを持っており、普段から疑問に思うことでもある。このようなものを数学的に考察し処理することは数学を学ぶ楽しさを与えるものであり、できるだけ多く取り入れたい。
ところで、中学校においては、樹形図による数え上げが可能で「5本中2本の当たりくじ」程度の簡単な場合について、その相対度数の安定性に着目した考え(確率の定義)にしたがって確率を求めてきている。
高校においても、中学校とのつながりを考えて「起こり得るすべての場合の数」や「その事象の起こる場合の数」を樹形図などで考えるなど、試行や事象を具体例を通して理解させていきたいと考えた。したがって、本時は、樹形図によって「場合の数」を調べるために、「10本中3本のあたり」という問題を、樹形図等による数え上げなども適宜取り上げながら、順列の考えで「場合の数」を調べていくようにした。
○類似問題作成による主体的な学習のまとめと発展
小・中学校では基礎的・基本的内容の定着を図る指導法の工夫の1つとして「まとめの時間」の充実があげられている。具体的には、学習内容を自分の言葉で振り返るなど、まとめの時間の確保とその内容の充実である。本時では各自が類似問題の作成を通して本時の問題の本質(和事象の確率の求め方)をとらえ、解答を作る過程において自分で作った問題と本時の問題の解き方を比較することにより、本時の学習内容をより主体的に自分の言葉で振り返ることと同じ効果が期待できるのではないかと考えた。
予想される生徒の反応としては以下のことが考えられる。
・くじの数を増やしたり、3番目、4番目にひく時の確率など拡張する生徒(発展の考え)
・設定場面をくじを引くことから別な場面に変える生徒(問題の本質をとらえた考え)
・くじの数を減らしたり、問題文が不完全な生徒(問題の本質がとらえられなかった)
・問題は作れたが解答を作成できなかった生徒(確率の求め方においてっまずきがある)授業においては数名の生徒を紹介する程度にとどめるが、一人一人の問題を授業終了後に回収・分析し、生徒にコメントをつけて返すことにより個の把握にも役立てたいと考えた。
相双地区の研究授業の様子
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