中・高連携のために-052/136page

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◆数学部会の実践例―つまずきの解消のために―相双地区

◆県北地区・数学部会の実践(平成11年11月相馬女子高等学校で実施)

相双地区においては、つまずきの解消をテーマにして、「確率」について研究授業を行いました。研究授業の視点としては、「中学校の数学の基礎をもとに高校の数学へ発展させることを意識させる」という点をあげました。

◆学習指導案

日時:平成11年11月29日(月)
場所:福島県立相馬女子高等学校1年教室
指導者:高校教諭
単元名 第1節 確率の基本(4 和事象の確率)

2 単元設定の理由
(1)確率について小学校では、資料の散らばりを調べることなどを取り扱い、統計的に考察したり表現する能力を伸ばしてきている。中学校では多数の観察や多数回の試行によって得られる頻度に着目し、確率の意味及び簡単な場合について確率を求めることを取り扱っている。これを受けて、ここでは、試行や事象の考えを明確にして、確率の法則についてまとめ、その理解を深めさせることになる。ここで扱う確率は確率論の入門を学習させるものではないため、いずれも生徒の日常生活に関係が深く、具体的な事象を通して、数学的な見方や考え方の良さを味わうには絶好の教材であると考える。

(2)生徒は数学において確率・統計の学習の基礎となる「個数の処理」を学習してきている。具体的には、図や表などを用いて能率的に数え上げることや、樹形図などの方法の発展として規則に従って数え上げることなどである。また、起こり得る場合の数をもれなく数え上げる方法として、順列や組み合わせの考えや求め方についても学習している。しかしながら、順列や組み合わせの考えや求め方について十分に定着していない生徒も数多く見られる。
このクラスは進学及び就職を目標とした普通科Aコースで、進学希望者の多いBコースに比べると上位の生徒が少ない。落ち着いて授業に参加している反面、受け身的な学習をする生徒が多い。そこで、確率の学習に当たっては、その都度「個数の処理」までフィードバックしながら学習を進めていきたいと考える。

(3)生徒にとって確率の学習はややもすると、その値の計算や求め方に追われるうちに「起こりやすさの割合」という確率の意味を忘れ、その値の良さを味わうことが少なくなることが多い。そこで、できるだけ身近にある具体的な事象から確率の考えを見いだしたり、観察や実験などを通して確率を調べる作業を適宜取り入れ、生徒の活動場面を多くすることによって理解を深めていきたい。

3 指導目標
確率の定義を理解し、試行や事象の考えを明確にしたうえで、確率の基本的な計算の進めかたを通して確率の基本性質をまとめる。さらに、和の法則、余事象の確率の理解を深める。

4 指導計画
第1節確率の基本……11時間
1 確率の意味……1
2 確率の基本計算……2

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