中・高連携のために-081/136page

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2 中学校(高校)の授業を参観したいのですが?

◆高校教員が中学校の授業を参観するためには

中学校では校内研修において、研究授業を実施していることが多いので、まず市町村教育委員会、中学校に問い合わせることです。また、中教研の大会等も授業を参観するためにはよい機会です。たとえば、平成11年度の中教研英語部会では、「国際化に対応した基礎的・実践的コミュニケーション能力を育成するための指導はどうあるべきか」という研究主題をもとに各地区で研究・実践が行われました。

◆中学校教員が高校の授業を参観するためには《次ページの様式例を参照》

体験入学で授業を公開している学校に足を運ぶことも一つの方法です。また、各地区や学校独自で中学教員へ参加を呼びかけて研究授業を実施している例もありますし、高教研が毎年テーマを決めて行う公開授業に参加することも考えられます。ちなみに高教研英語部会の平成11年度の県大会では、「コミュニケーション能力を育成するティーム・ティーチングの工夫」と題した研究発表や、「自己表現を高めさせる授業の工夫」などの分科会が行われました。また会場では同時に中学校の授業も併せて公開されました。

◆中・高相互の研究のために

3年間にわたって行われた中・高連携学習指導研究委員会では、互いの授業参観や中学校・高校教員のT・Tによる授業など数多くの試みが行われました。今後は、各地区、各学校でいかにこの種の活動を育て、実を結ばせるかが大切になります。
そこで、今後、中・高連携を進めるためのポイントを示します。

(1)中教研、高教研など既存の組織を十分に活用する研究の継続性の面からも、内容を深めるためにも、研究の蓄積が十分にあり、基盤のしっかりとした組織である中教研や高教研などが中心となって活動することが望ましいと言えます。

(2)具体的な研究テーマを設定する
実際に長年に渡って中・高の研究会を実施している地区や教科があります。それらに共通するのは、高校入試分析や学習面において生徒がつまずくポイントなど、はっきりとした研究の視点を持つことです。抽象論や理想を語るのではなく、具体的なテーマを設定して研究を進めることが大切です。

(3)生徒の視点に立った中・高連携を図る中学校の実態を知らずに高校で授業を行うのは、いわばカルテ無しで治療を行うようなものです。生徒一人一人のカルテとも言うべき「学習に関する履歴」のやりとりを中学校・高校間で行ってこそ、生徒も安心して学習に取り組めるといえます。

各学校で中・高の連携を進めるために
●中学校の授業を参観するためには、市町村教育委員会、中学校に問い合わせる
●授業公開によりお互いに他の校種の実情を理解する
●生徒の学習の履歴を共有するための相互理解の場を設ける

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