中・高連携のために-087/136page

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4 学習が遅れがちな生徒への指導は?

◆分かる授業を行うために

中学校においては、グループ学習やティーム・ティーチングによる授業など、個に応じた指導の工夫がされています。一人一人の個人差に応じた学習の成立のために、課題別コース学習を設けたり、生徒一人一人が自分に適した学習課題に挑戦する機会を設け、きめ細かい授業を行われています。
一方、高校でも、学校や学科の違いにより多少の違いはありますが、学習の遅れがちな生徒に対して、様々な取り組みをしています。
県内のある高校では、1年生の1学期に英語の授業を習熟度別のクラス編成を行い、英語が不得手な生徒は中学校からの復習をていねいに行っています。
また、2クラスを3人の先生で授業を担当している学校もあります。定期考査の結果をもとに理解度に応じて3つのクラスに分け、苦手な生徒の多いクラスでは、教科書の理解を助ける学習プリントを用いて授業を行うなど、それぞれの学校での工夫がみられます。

◆授業改善の工夫―授業終了前に授業内容を振り返らせる余裕を―

授業時間を意味のある50分にする工夫が必要です。生徒が考えたり、表現したりする正味の時間は50分のうちどのくらいでしょうか。
大切なことは、50分の授業をやりっぱなしにしないで、授業で学習する時間の中で完全に習得させる工夫です。とりわけ、学習の理解が遅れがちな生徒に対しては、授業内容の理解ができたかどうかを確かめていく配慮が必要です。
中学校でも高校でも、授業終了のベルが鳴っても内容が終了せず、尻切れトンボの状態で終わることがあります。むしろ、3分前程度にその時間で学習した内容について振り返り、本時の目標や重要事項について、生徒とともに確認する時間を持つことが大切です。
そのためには、導入段階において、前時で学習した内容を確認するとともに、本時の学習のめあてや、学習の進め方を明確にして授業を進めることが大切です。

学習の遅れがちな生徒の指導
●生徒一人一人のの理解度に応じた課題別プリントを準備するなどの配慮をすること
●習熟度別の授業への取組みをする場合には、生徒の気持ちへの配慮を忘れずに
●1時間の授業の流れを生徒自身に伝えるとともに、学習内容を確認する時間をとること

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