平成12年度福島県中学校新教育課程説明会要項-027/64page
第1学年では主に基礎的な表現技能、第2学年及び第3学年では、日本及び諸外国の表現方法と創造的な表現について、エは、第1学年では主に表現方法を工夫し、絵や彫刻などに美しく生き生きと表現すること、第2学年及び第3学年では、漫画やイラストレーション、写真、ビデオ、コンピュータ等映像メディアなどの表現について示している。
〔第1学年における主なポイント〕
スケッチの指導
形や色彩の特徴をとらえて表すスケッチの技能の育成を重視している。
観察して表す
「観察する」ということは、自然や動植物、人物など形あるものをそっくりに表現するために行うものではなく、対象を自分の目や手でさわったり諸感覚や感性を働かせ新鮮な目と心で観察し、豊かで多様な表現ができるようにすることを意味している。
絵やイラストレーションの表現
これからの社会生活においてビジュアル・コミュニケーション、文書作りなどの手段とし大きな役割を担っていくことを示している。
〔第2学年及び第3学年における主なポイント〕
深く観ることと夢や想像・感情などの心の世界を表す
自己を含めた対象を一層深く見つめとらえることが大切であることを意味している。
日本的な表現の多様性
日本の美術について鑑賞させ、その表現の技法の多様性に気付かせるとともに、それらと比較して西洋の独特な表現の仕方の特徴などを感じ取らせるなどして、自分の個性や表したい感じやイメージに合う表現方法を主体的に選択し、活用することを重視している。
◇デザインや工芸などに表現する活動今回の改訂では、デザインや工芸の一体的・総合的な内容や、それぞれのくくりの中では納まらない表現分野や方法までも幅広く含み、多様な表現活動をこれまで以上に柔軟に展開できるようになっている。
2)B鑑賞の内容
鑑賞は、「表現と一体した鑑賞」と「鑑賞としての鑑賞」の両面をもっている。特に、生涯学習という視点からも今日重要な意味をもち、そのことから美術教育の重要な基礎であり、独自の学習としての鑑賞を充実させる必要がある。
第2学年及び第3学年の鑑賞の内容では、特に、次のことを重視している。
・日本及び諸外国の美術の文化遺産を鑑賞し、表現の相違と共通性に気付き、それぞれのよさや美しさ、創造力の豊かさなどを味わい、文化遺産を尊重するとともに、美術を通した国際理解を深めること。
・生活の中のデザインや伝統的な工芸を鑑賞し、豊かな発想と工夫、美と機能性の調和、作品に託された願いと造形的なよさなどに気付き、生活におけるデザインや工芸の働きについて理解すること。