児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -015/157page
III 福島県の小・中学校教育の推進
新学習指導要領の告示を受け、福島県教育委員会ではこれからの福島県の教育の在り方を示した「第5次福島県長期総合教育計画」を発表した。ここでは、その計画に基づく福島県の小・中学校の教育について述べる。(「第5次福島県長期総合教育計画」の抜粋は P148 に「資料1」として掲載してあります。)
1 教科指導等の充実と基礎学カの向上
(1) 教科指導
1.問われる授業と学力の質
これからは、ややもすると教え込みに偏りがちだった授業から体験的・問題解決的な学習を重視した授業への転換が求められる。
これまで以上に児童生徒が、自ら学び、自ら考える力を持ち、自分のことばで表現できる力が重視される。
大切なことは、学力を獲得する過程やその方法に重点を置くことであり、児童生徒一人一人の主体的な学びを保障する授業の質的転換である。
また、これからの学力の評価については、知識量だけでなく、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを重視し、自ら学び、自ら考える力が身に付いているかどうかが重要となる。2.学力向上と「ふくしまの教育ライジングプラン基礎学力向上推進支援事業」
平成9年度から平成11年度までの「学力向上IDプラン事業」の成果と課題を受け、平成12年度から平成16年度までの5年間にわたって、「ふくしまの教育ライジングプラン基礎学力向上推進支援事業」を推進することにした。
「資料2」として、P152に概要を掲載したので御参照いただきたい。
(2) 総合的な学習の時間
総合的な学習の時間に取り組むに当たって、次の4点を基盤に据える必要がある。
○まず「何をやるか」でなく、学校や子どもの実態を見つめ直し、「どんな子どもに育てたいか」という教育活動の展望を明確にすること。
○教師一人一人が自力で単元を開発し、授業を組織していくという、教師の構想力や企画力が今まで以上に求められるようになること。
○総合的な学習の時間の基盤は、教科等の学習にあること。
○体験的な活動にとどまることなく、問題解決能カ等を育成するというこの時間のねらいをふまえて授業を組織する必要があること。
全職員が一体となり、地域や過程との連携を図りつつ、次の6点をもとに積極的に取り組むことが大切である。
1.実態把握と実践までの構想の明確化
ア 実態把握と学校教育が目指す方向の見定め
イ 学校の教育活動全体の中における「総合的な学習の時間」の位置付けの明確化2.問題意識を持たせることと実態に即した課題設定
ア 問題意識を醸成できる場の設定
イ 個に応じた支援