教育福島0001号(1975年(S50)04月)-018page
九、集団宿泊指導の検証事項
(1) 集団宿泊指導の期間は何泊何日が望ましいか。
1) 集団宿泊指導期間における児童の行動の変化
集団宿泊指導の望ましい期間について、児童の希望する期間と引率指導者が必要と考える期間の実態については、すでに一年次において明らかにしてきた。
二年次では、宿泊指導期間中の児童の行動の変化を段階的にとらえ、
それをもとにした研修プログラムに従った集団宿泊指導を実施してきたので、ここでは、三泊四日の集団宿泊指導での児童の行動、班のまとまりのようすなどを取り出し、更に宿泊期間について考えてみたい。
なお、活動のようすについては、次の評価の観点を設け、観察してきた。
○ ひとつひとつの班について
A=ひとりひとりが積極的に活動に参加している。
B=仲良く活動している。リーダーがよく動いている。
C=班員がばらばらで、まとまりがない。
○ 全体的にとらえて
A=まとまりがよく、楽しそうな班がほとんどである。
B=二〜三まとまりのない班はあるが、他はよくまとまっている。
C=うちわもめや仲間はずれのある班が、とても多い。
ア、研修活動における児童の変化
−−観察による−−
〔事例三泊四日 五年生「班の活
動のようす」〕
三泊四日の宿泊期間の各研修活動の時間での班のようすを整理すると左の表のようになる。
各班の活動のようすは、日を追って変化している。ここでは研修時間の活動だけを取り出したが、活動についての評定は、しだいにAがふえ、どの班でも「ひとりひとりが積極的に活動に参加」してきている。しかも第四日目の自由活動での子どもたちの活動のようすを見ると、われわれが「第三の段階」と呼んでいる集団宿泊指導のねらい、「個性を発揮し合い、しかも助け合いながら気がついたことを進んで実践するようになる。協同の精神に支えられて活動する。」にひじょうに近い。
一泊では、とうてい、この段階に到達することはできないと思われる。