教育福島0001号(1975年(S50)04月)-020page

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いったもの約三分の二。十時までには、ほとんど眠りにつく。

便所に行く児童の声、足音が静かな廊下に時々、響く。

〇三泊目……宿泊室で就寝。九時三十分、消燈の案内のときには、すでに静まりかえっている。目を覚めている児童もいるが、話し声はない。便所に行き来する児童のほとんどが足音をしのばせている。

足音をしのばせて歩く児童の姿に集団宿泊の成果を見たと思う。二泊目もよく寝てはいるが、三日目のそれとは少し違うようである。くたくたになって寝こんでいる姿が多い。他の研究協力校四校とも同じ傾向を示している。この三日目の夜の姿こそ、友だちへの思いやりのあふれた児童の変容した姿ではなかろうか。

こういった就寝時の児童の変容、そして研修活動に表れた児童の行動の変化を見てくると、集団宿泊指導の期間は、三泊が望ましいというふうに言えるだろう。

2) 宿泊期間についての児童の希望

事後の調査での反応を見るといずれも自分たちの参加した集団宿泊生活の期間より長い期間を宿泊したいという希望を持っている。平均でとらえるとたとえば三泊以上の希望は七四・○%ということで、一年次の調査で二泊三日の研修では短いと答えた、七十五・一%にほぼ近い数になる。

三泊四日をした児童が、更に四泊を希望していること、二泊三日をした児童も、三泊より四泊を希望するものが多くいるということの意味を児童の少年自然の家での生活−「友だちとともに汗を流し、助け合い、協力し合うことが実際に折り込まれている活動」「友人とともに創造して行く喜びの味わえる活動」「野や山の中での、自然の息吹きに直接触れることのできる活動」の可能な生活への希求が、こめられているものと解したい。

これらのことから集団宿泊指導は第一年次研究の成果と合わせ考えて少なくとも二泊三日、できれば三泊

四日の宿泊期間で実施することが望ましいと考える。

(2) 研修活動のプログラムは、どう編成することが望ましいか。

1) 観察法による児童の変化

児童が望み、教師が望む少年自然の家でとりあげる研修活動は、次の三つの性格を持ったものでなければならないと仮定した。

○友人とともに汗を流し、助け合い協力し合う活動

○友人とともに創造して行く喜びの味わえる活動

○野や山の中での、自然の息吹きに直接触れることのできる活動

また、児童は一、二、三の段階を追って集団宿泊指導の行動の変容が見られるという仮説のもとに協力校のプロを作成し、実施してきた。その結果は、前記の「研修活動における児童の変化−事例(班の活動のようす)−」のように観察されているので、第一年次の研究でたてたプログラムの編成のしかたについては、正しいと考えられる。

ただし、たとえばフィールドワークをプログラムの前半第一日目に実施する場合と、後半の第三日目に実施する場合とでは、そのねらうところが変わってくる。日程の前半では班員同士の人間関係が滑らかになることを意図し、後半では積極的に助け合い、協力し合うことを意図することになる。フィールドワークは、何日目に入れなければならないとかオリエンテーリングはどこでなければならないというふうに考える必要はないと思われる。

事前に研修されたことが児童の身につき、それが後日の活動に生かされるような研修活動の配列なども考慮する必要がある。

そういったことに留意して。プログラムを編成することがたいせつと考えたい。

 

「この次に利用するとしたら何泊したいか」(%)

 

 

 

 

 

 


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