教育福島0001号(1975年(S50)04月)-023page
児童の行動の変化の記録の中でも男女がしだいに協力し合い、助け合っていくようすが観察されているので、ほとんど取り上げる必要はないと思われる。
学校では、比較的閉鎖的な学級を中心とした活動が多いように見受けられるが、少年自然の家での集団宿泊指導で、新しい交友関係、親近感、連帯性のかん養をねらうためには、班の編成について、学年内の学級のわくをばらして、更に男女混合の班を作ることが望ましいと考えられる。
2) 班の人数
中学年では六〜八人、高学年では八〜十人で班を編成することが、集団宿泊指導の効果をよりあげ得るのではないかという仮定に立って、実施プログラムを編成し、集団宿泊指導を行ってきた。
児童は、この班編成による指導のあと、事後調査で班の人数について、次のように回答している。
下の図の反応では、どの学年においても七十%以上の児童が、自分の班の人数について「ちょうどよい」と満足した回答をしている。このことは、すでに述べた集団宿泊指導期間中の児童の変化−成果と見てもよいと思うが−があり、児童もそれに満足していることから、この班編成は適切であったと思われる。
班の編成において班員の数は学年に応じて、中学年では六〜八名、高
学年では八〜十名、ならして八名前後で編成することが望ましいと考える。
(4) 集団宿泊指導における、引率指導者と少年自然の家職員とのかかわりは、どうあればよいか。
1) 指導分担の位置づけ
第一年次の研究を通して、「集団宿泊指導実施までの過程−引率指導者と職員の協力のあり方−」入所申し込みから退所までの過程で、どのような視点に立って協力し合うか、その位置を明らかにした。更に事前研修会、事前打ち合わせを通してプログラムが編成され、そのプログラムの中でお互いに分担し合って指導して行く。その指導の分担が明らかにされた。
以上のように位置づけた指導分担に従い、集団宿泊指導は実施された。
2) 集団宿泊指導実施上の役割分担
1)の「指導分担の位置づけ」のところで、集団宿泊指導を実施するときの児童に対する指導を大きく二つに分類した。
「班の人数についての児童の反応−事後調査−」(%)
「指導分担関係図」