教育福島0001号(1975年(S50)04月)-024page
ここでは、当研究委員会の検討を経て実施された指導分担に従って上記のアーオについて書いてみたい。
ア、オリエンテーションによる集団宿泊生活全体についての指導
少年自然の家の生活のし方、特に集団で宿泊するときの心がまえ、ルール、他の人へ思いやりを持った行動などについての指導が中心になる、
〔分担〕
・ 児童の掌握、体形などの指導
−−−引率指導者
・ オリエンテーション
−−−所員
・ 児童の実態に応じた指導の補足
−−−引率指導者
イ、宿泊生活をともにする指導・援助
児童の睡眠の確保、教師と児童のより密接な触れ合い、そして集団宿泊指導の核としての睡眠の指導のために、引率指導者は児童と同じ部屋で眠ること、宿泊生活をともにすることが必要と考えられる。
〔分担〕
・ 児童といっしょの宿泊生活
−−−引率指導者
・ 宿直業務
−−−所員
ウ、学校としての自主活動としての指導・援助
職員の直接的な指導はなく、引率指導者に対しての事前指導(事前研修会、事前打ち合わせ)のあと、入所してから引率指導者が自分たちの計画に従って児童に行う指導・援助
〔例〕 ○ オリンピックゲーム
エ、所員に依頼しての事前指導での指導・援助
専門的な知識、豊富な経験、施設や環境に対する精通度が要求される分野での児童に対する指導は、少年自然の家職員が当たることが望ましい。その場合、引率指導者は、傍観者であってはならない。
こういった分担のもとに、児童に対する指導が行われるようになる。
集団宿泊指導での児童に与えるものとして、少年自然の家の施設、設備、そして職員の影響が大きい。それだけに安易に職員が出過ぎて、本来の引率指導者の教育的機能が失われるようなことがあってはならないと思う。分担に従い、補い合って指導すべきであろう。