教育福島0001号(1975年(S50)04月)-045page
わが校のほこり
福島女子高等学校
福女の制服
前庭のタギョウショウ
国体出場のソフトボール部
県下第一位のバスケットボール部
福島町立福島高等女学校として明治三十年に創立(明治三十六年県立移管)されてから七十八年の星霜を経、二万名の卒業生を送り出した。高村光太郎の「智恵子抄」にある長沼智恵子をはじめ、文壇に、芸術界に、あるいは政界にと男子とごしての活躍は目をみはるものがある。だが家庭の良き母、賢い妻として、子女の養育に当たっている大多数の卒業生が有形無形の援助の手を後輩に差し伸べていることを忘れてはならない。そしてこの心情によって学校は大きく支えられているのである。
春は桜、夏はハナミヅキの緑に映えた白い花、この葉が真っ赤に色づいたころが秋、冬もクロマツやタギョウショウが朝な夕なに私どもを送り迎えてくれる前庭の調和と美。「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。」このたたずまいを移り変わる季節の旅として誇りたいのである。
若きおとめを包む制服、セーラー調でありながら和服風のユニークなデザイン、生徒は誇り高く制服を着る。この制服を着たくて福女に入学したのだと告白した者もあるという、本当の笑えないエピソードもある。だが外形ばかりではない。九割を越える上級学校進学希望者のいるいわゆる進学校でありながら、生徒会部活動も極めて活発である。昨年度は、バスケットボール、ソフトボール、水泳の各部が県で第一位。その中には東北大会で優勝した部もある。放送委員会は全国大会第二位であった。放送委員会といえば本校の視聴覚教育も誇り得るものである。ハードウェア、ソフトウェア、スタッフ先生がたの利用度、そのいずれもすばらしく大きな教育効果を示している。
最後に、私どもは地域社会の要請にこたえ、本校が誇り得る教育遺産を数多く残すべく本校歴史のひとこまに全職員が一丸となって当たっていることを誇りとしたい。