教育福島0002号(1975年(S50)06月)-011page

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学校学習指導要領第一章総則 第一教育課程一般6(今回そう入項目)「第二章以下に示す各教科、道徳及び特別活動の内容に関する事項の指導に当たっては、特に示す場合のほか、それぞれの目標及び内容の趣旨を逸脱しない範囲内で、児童の実態を考慮して、重点の置き方に適切な工夫を加え、指導の効果を高めるように努めるものとする。」による。中学校学習指導要領では第一教育課程一般7(そう入項目)がこれに当たる。

なお、「指導の重点化」という場合の「指導」は、指導目標、指導内容、指導方法等にわたり、学習指導全般を指すものを考える。

 

三、教材の精選と指導の重点化のねらい

 

(一) 児童・生徒の人間として調和のとれた育成を図るためには、教科の学習が単なる知識の詰め込みにならないようにする。

(二) 児童・生徒の自主的な学習を通して、知識の量よりも自ら学び取る力を育て、たくましい実践力を育てるようにする。

(三) 教科における基本的事項を明らかにし、その指導に十分な時間をかけて、しっかり身につけさせる。

(四) 児童・生徒の心身の発達に応じて一人一人の学習負担の軽減を考慮してその適正化を図り、児童・生徒の生活にゆとりを持たせ、しかも充実したものにする。

(五) このことは、学校における指導のすべての場面で常に配慮して実践することが重要である。

 

四、指導計画(教材の精選を含む)についての重点化の観点

 

(一) 学校の教育目標、学年の目標と学習指導要領に示された各教科、領域等の目標、指導計画の学年の目標や単元の目標等を明確にし、重点をは握する。

(二) 教材の目的性(なんのためにこの教材を取り上げるのか)を明らかにし、その指導目標を具体化し取り扱いに軽重をつける。

(三) 教科の本質にかなった見方、考え方をもとにして、その基本的事項の系統的発展や相互関連を的確にとらえ、学年の重点を明らかにする。

(四) 児童・生徒の既習経験を明らかにし、指導内容の取り扱いに軽重をつける。

(五) 教科の特質に応じて教材を構成要素(内容)に分析し、関係づけ基本的事項をおさえて構造化する。(関係づけの多い要素が中核的であり、重点となる。)

(六) 教材と他教科との関連を配慮し軽重の度合いをきめる。

 

五、学習指導の重点化の観点

 

(一) 重点教材の取り扱いについては児童・生徒にゆとりを持って発見的に学習させる時間を確保し、教科の本質に迫る学習ができるように学習過程を構成し、自ら学ぶたくましい実践力が身につくような充実した学習にさせる。

(二) 基礎的な理解や技能がすべての児童の能力に応じて確実に身につくように個別学習の成立に努めるとともに、相互にみがき合い、人間的な触れ合いを深める集団学習の場を構成する。

5) 教材の軽重に応じて、適切な教具、教育機器の効果的利用を工夫する。

 

◇ 精選・重点化の段階

六、「精選や重点化」の留意点

 

六、「精選や重点化」の留意点

 

(一) 組織的な共同研究で進める。

教材の精選や指導の重点化は、個人プレーではなく、学校の方針のもとに共同で実施しなければならない。そうしないと、学年や教科のバランスを失い、学年が進んだ場合に混乱を生ずるおそれがある。

また、個人で毎日の研究を効果、的に進めるのはなかなか困難であるので、特に小学校においては、学年ごとの協力指導体制をとり、教師の特性を生かして、学年で教科の研究分担をきめ、共同研究を進めるようにするとよい。

中学校においては、教科研究部が中心となって進めることになるが特に、他教科との関連を重視し内容のむだな重複を避け、取り扱いの時期等について検討を加えること。

次に、こうした研究は、できれば地区の研究として組織的に進め

 

 

 


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