教育福島0003号(1975年(S50)07月)-034page

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わが村の生がい教育

 

わが村の生がい教育について

安達郡大玉村教育委員会

 

一、村の概況と教育機関

本村は、福島県の中通り安達郡の南に位置し、安達太良山のふもと、県民の森のある素晴らしい自然環境に恵まれた、面積七十九、三五平方膜、人口七千七百三十五人の農村地帯である。

教育機関としては統合中一、小学校二、村立幼稚園二、公民館一がある。

二、乳幼児の教育

乳幼児教育の対象は両親であり、特に母親が主である。乳幼児教育の問題が大きく取り上げられている今日、心身ともまだ不完全な幼児期に受ける影響は、将来の人間形成に大きな影響を与えると言われている。幼児期の子供を抱える両親に、子供の発達段階をよく理解させ、余裕のある態度で子供の成長を見守ることのできるような心の育成と、幼児期における家庭教育の重要性を、更に一層認識させるため、幼稚園児を持つ親を対象に家庭教育学級を二学級開設して、村民から喜ばれている。

三、青少年の教育

本村では、青少年教育を重点施策として社会教育を推進するため、事業計画を立て、予算措置をして着実な実施による成果を期待している。

(一) 地域子供会会長リーダー研修会

子供会会長、副会長を対象に、年二回、夏休みに公民館で一泊二日の学習、また冬休みには一日、事後研修会を昭和四十二年から継続開催している。

(二) 少年少女野外活動研修会

夏休みに、中学二年生を対象に、地元県民の森野営場で(キャンプ)一泊二日間、自然との接触の中での野外活動、規律のある共同生活訓練少年少女どうしの研さんの一助として、昭和四十六年から学校、PTAと連携のもとに実施している。

(三) 青年教室の開設

村内勤労青少年を対象に青年教室を開設、年間を通じて学習、一般教養、体育、レクリエーション、宿泊学習、県外交歓研修会、村を知る現場学習などを主として、青年会との関連の調整を図りながら実施している。

(四) 青年宿泊講習会

特に本村では、次代を担う若者たちを健全育成するため、共同集団生活を通して社会人としての精神的な面の教養を高め、人間関係を学び、友づくり、青年どうしがせっさたくまし、規律のある生活訓練を、村主催で、霊地遠藤ケ滝や県民の森野営場で、村内在住の青少年を対象に実施している。

四、成人の教育

婦人の学習は、集まる学級開設をしてきたが、現代社会の変遷により参加者が年々減少、学習運営が困難な状況になったので、昨年度より部落婦人学級を部落の集会所で開設し、婦人の教養を高めるための一助として、学習運営を行い相当の効果をおさめている。年々部落婦人学級開設数も多くなる現状である。なお、幸せな家庭作りは、まず健康管理から、という観点に立って、婦人のための栄養料理教室を開設し、基礎学習、家族の健康管理、自宅の庭の生産物を使用しての栄養のバランスの取り方等を学習内容として、日常生活をより楽しく、より豊かにすることを工夫している。これも公民館で実施し、大変な盛況である。

高齢者を対象に、寿大学を二学級開設し、講義(話し合い)、一般教養等を主とした内容で、六月から十月の間で十一回学習している。老人たちは公民館や支所をそれぞれ学習の場として集まり、村内に七つの老人クラブがあり、約七百五十名が加入している。仲間とともにくつろぎ、過去の人生を省みて新しい時代に対応する心構えを学びながら生きがいのある日常生活を送り、家庭の一人として人間関係を語り合うなど楽しく学習を続けている。

 

栄養料理教室風景

栄養料理教室風景

 

 

 


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