教育福島0004号(1975年(S50)08月)-040page

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福島県教育センターから

 

中型コンピュータなどの利用

−利用方法の実例−

 

普通科高校でも教育センターにあるコンピュータを利用させて欲しいというお話があります。実は、もうすでに利用されているのです。課程に制限はありませんので、生徒実習でも、先生の自己研修でも、日程等の打ち合わせを経れば利用できるようになっています。

利用の方法は、センターに来てもよいし、郵送したものをコンピュータにかけてもらう……などがあります。特に郵送による「通信制」はセンターに来れない遠隔地のかたでもコンピュータを利用できる方途として採用されたものです。

利用の詳細については、小冊子に編集して各県立学校に配付しています。

 

OMRと通信制によるプログラミング

県立勿来工業高等学校

 

最近のコンピュータの進展は実にすばらしく、今までにない新しい学問として取り扱えるまでになっております。

本校ではまだコンピュータが導入されてないので、教育センターのOMRを使用しフォートランによるプログラミングの授業を行っているのでその概略を説明致します。

OMRとは、ご存じと思いますが、カード上に決められた約束に従って印を付ける《マークする》ものです。したがって、せん孔機がなくともプログラミングの実習ができます。

OMRの利点として次の四点が考えられます。

一、せん孔機を必要とせず、鉛筆等で簡単にマークするだけでよい。

二、いつでも、気軽にプログラミングやデータの作成ができる。

三、鉛筆でマークするため、間違いがあっても、消しゴムで修正ができる。

四、座学でいっせい指導ができる。時間数は三学年で、一学期に週二時間、以後は一時間です。一学期に時間数が多いのは六月に教育センターで実習を行うためです。授業の内容は、一学期で四則演算を中心にGO TO文IF文まで、二学期前半で組込関数・論理IF文、DO文等のいわゆる入門を学習し、後半からは演習問題で年間では約四十問になっており、三学期には特に力のある生徒に、サブルーチン配列について学習をさせております。かなりの内容ですがマークしたカードをセンターに送ってランをして、その結果を郵送していただいております。この方法をセンターでは通信制によるコンピュータ利用と呼んでおり、利用されている学校も多いことと思います。スピード時代にテンポの遅い方法かもしれませんが、この方法でも十分学習ができます。ある生徒はパズルの解とか、カレンダー等のかなり高度なものまでこなしております。

OMR使用で注意することは次のような点になります。

一、マークは慎重に確実に

二、マークの鉛筆はHBであること

三、マークミスは、完全に消すこと

四、カードは汚したり、折り曲げたりしないこと

この点に注意をすれば、だれでも気軽にコンピュータを利用することができます。プログラムを完成し、結果が出るまでに少し時間がかかりますが、生徒は真剣に、他の教科には見られないような興味を示しております。これからも、この通信制を、大いに利用したいと思っております。(教諭 佐藤嘉志郎)

 

ミニコンピュータ導入校における教育センター利用について

県立喜多方商業高等学校

 

情勢の変化による社会的要請と、商業教育の体質改善を目指し、本校において昭和四十五年度に事務科を新設し情勢化社会にマッチした教育内容を展開するため、ミニコンピュータ(ハイタック・テン 八K語)、入出力データ・タイプライタ、テープ高速読取装置、OMR、各一台、データ・タイプライタ二台を導入した。

昭和四十六年度から「電子計算機一般」を二年で二単位(現在四単位)、四十九年度から「プログラミング1)」を三年で二単位(現在三単位)を履習させて特色を出し、情報処理教育の積極的な導入を図ってきている。

情報処理教育の目標を達成するためには、プログラミングの実習を通して電子計算機の本性を理解させることが不可欠の要素である。しかしながら、前述のような本校の設備では十分な成果をあげることが期待できない。その解決策を考え、いろいろと本校の実態に即した工夫を加えてはいるが、やはり設備による制約が横たわり、学習効果

 

 

 


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