教育福島0005号(1975年(S50)09月)-044page

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福島の文化財産

未指定

 

未指定

 

清水台遺跡

 

郡山市清水台

 

当遺跡は、虎丸長者伝説と結びついて古くから知られている。過去二回(昭和三十九年、四十九年)調査が実施されたが、今回は旧安積病院を取り壊し駐車場とするに際して、六百七十平方メートルについて実施された第三次調査である。その結果、建物跡四とう、大小溝三条、竪穴住居跡一基、土坑その他が検出された。

出土遺物には、軒丸瓦、軒平瓦、軒瓦、丸瓦、須恵器、土師器等があり、時期は奈良時代後期から平安時代にわたっている。このうち、軒平瓦二点に朱の塗抹があり、建物は大陸風の朱塗りであったことがわかる。

当遺跡は、三代実録所載の元慶五年(八八一)天台別院となった実積隆寺に擬定するむきもあったが、発掘調査所見では、廃寺跡の証拠はなく、官衙跡の公算が大きい。郡山の地名は郡衙跡に付せられることが多く、当遺跡は安積郡衙跡と見ることができる。

大溝跡は、郡庁など主要な建物の配置された内郭の北限を示し、第二次調査を実施した旧安積学館跡を南限とする方一町(百メートル四方)を中心とし、その外郭に当たる皿沼、安積国造神社、愛宕神社、大慈寺にわたる方二町が、郡衙の規模と推定される。

 

 

 


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