教育福島0006号(1975年(S50)10月)-035page

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わが村の生がい教育

 

喜んで参加する高齢者学級生

岩瀬郡天栄村教育委員会

 

一、はじめに

天栄村は岩瀬郡の西南部、東北本線鏡石駅から西へ十キロのところにある。東西に三十六キロ、西は南会津郡下郷町に隣接し、面積二百二十四・七九平方キロメートル、人口六千八百九十九人、美しい自然と豊かな観光資源に恵まれた農村である。

教育機関としては、中学校二、小学校六、幼稚園三、ほかに保育所一、社会教育施設として、村の中央に公民館があり、旧村単位に四つの分館がある。また昭和四十八年には、村民の強い要望により村営グランドが完成、本年度中には湯本公民館が建設される。

本村の社会教育活動は、他町村に比べ決して活発とは言えず、なんとかしなければと努力はしているが、特に社会教育で最も重要な青年教育は、今後の大きな課題である。

二、家庭教育学級

昭和四十八年度までは、村内の各学校に依頼して四つの学級を開設していたが、マンネリ化等により担当の先生がたが苦労するわりには実績があがらず、四十九年度からは公民館で二つの学級を開設することになった。

対象者は三歳児を持つ母親で、住民票により調査したところ該当者は六十五名であった。これらの人に三歳児教育の重要性を記したパンフレットを送り募集したところ、四十四名の応募者があり、主として「三歳児のしつけ」を中心に、楽しい母子のピクニック等年間十回、三十時間開催している。出席率は約七十パーセント、熱心に学習している。学級生の年齢は二十五歳から三十歳ぐらいまでで、ほとんどの人が勤めを持っているため学習日は日曜日としている。

三、婦人教育

村の婦人団体は、婦人会が十五、農協婦人部三、母子福祉会三、千草会五があり、これらの婦人団体が天栄村婦人団体連絡協議会を作り、各種の活動を展開している。

前記の千草会というのは、婦人会をやめ、老人クラブに入るにはまだ早いという、四十五歳から五十歳代の中高年齢層婦人が、お互いに楽しみを持ち教養を深めて、よりよいしゅうとになろうと、結成された会である。

千草会は五団体、百三十二名の会員がいる。この会員を対象として公民館では千草学級を開設している。今年で三年めとなるが、この年代の婦人は子供も育て上げ、家庭でも比較的時間的に余裕があるためか出席率が大変よい、特に学習方法についてはできるだけ講義を少なくし、話し合い、実習、実技を取り入れている。

また今日まで公民館が開催してきた婦人学級講座を見ると、参加者は公民館の近距離の人が圧倒的に多く、教育の機会均等の立場から本年度は部落公民館を利用した婦人学級を計画している。

四、高齢者教室

高齢者教室(寿学級)は、二学級開設している。 一学級は自主開設で湯本地区に、もう一学級は補助学級で、今年で六年めになる。その間学級生数は増加の一途をたどり、今年は百八十名となった。学級開設に当たっては、住民課、老人クラブ等と学級生募集方法募集人員、学習内容、運営方法等について協議している。学級生数が多いので学級運営上いろいろ問題はある。喜んで参加している姿を見ていると、どうしても学級生数の制限はできない。日程は、午前十時から十二時までが全員による学習、主として講演、午後一時から三時まではクラブ活動として盆栽、民謡、手芸、釣り等のクラブ活動をしている。学級日は昼食持参、出席状況も毎回百四、五十名、この日ばかりは公民館もてんやわんやの状態である。

 

 

 

 

 


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