教育福島0006号(1975年(S50)10月)-036page

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わが村の生がい教育

 

わが村の社会教育

大沼郡新鶴村教育委員会

 

本村は会津盆地の西部に位置し、東は北会津村、西は柳津町、南は会津高田町、北は会津坂下町に接し、南北に長く西方より東方に緩やかに傾斜した肥よく地である。面積は四十・四一平方キロメートル、人口は四千五百八十七人、過疎の純農村である。このような中にあって我が村の社会教育は、厳しい社会情勢を認識し、これに適切に対応しながら、情操豊かな精神をかん養し、人間性の回復と薫り高い精神生活の創造を図る生がい教育の実現を目指して努力している。

一、青少年教育

(一) 4Hクラブ

農業後継者で構成されたクラブで、地域の農業を通して青年相互の理解と友情を深め、人格向上を目指し、毎月二回学習会を開催している。

他にスポーツ少年団がある。

二、成人教育

(一) 家庭教育学級。

一学級、四十六名、学級生は小学校一年生の両親で構成され、家庭教育という重要な役割を、両親自らがそれぞれの家庭で能力を十分発揮するため、年七回二十三時間の学習を、公民館、小学校において実施している。

(二) 高齢者学級(新寿学級)、一学級。

学級生は、村内六十歳以上の老人六十名。年間八回三十九時間、公民館において高齢者相互の学習を実施している。

(三) 中央婦人学級。

部落婦人学級を開設し、各部落婦人の希望者を対象に、婦人としての資質の向上、生活技術の向上、趣味の学習等を実施している。

(四) 婦人リーダー講習会。

婦人会の全役員を対象に、変わりゆく社会の進展に即した会の運営と、婦人会役員としての資質の向上を図るため、年二回、公民館及び猪苗代にある国立青年の家でそれぞれ一泊二日の研修会を実施している。

(五) モデル分館の設置(二分館)。

モデル分館の模範的運営を通して、各部落分館活動を推進させている(村補助対象)。

(六) 分館学習活動(二十分館)。

各部落分館の自主的運営によって、学習会を推進している。学習内容は次のとおりである。教養講座、農業講座、手芸講座交通講座、料理教室、保健衛生講座スポーツ教室、書道教室、盆栽教室民謡教室、謡曲教室。(村補助対象)

三、社会教育関係団体の育成(七団体)

社会教育関係団体としての理解を深め、自主的に地域社会に密着した組織活動を促進させ、指導者養成のため各種研修会等に参加させる。

団体名=青年会、婦人会、PTA、みのり会、文化財保存会、体育協会。

四、文化財保護活動

本村における指定文化財は、国指定が中田観音及び弁天堂、田子薬師堂の三か所、県指定が千歳櫻(記念物)である。村内にはまだ未指定の文化財の彫刻、埋蔵文化財の遺跡、記念物等数多く、今後未指定文化財の調査及び保護管理に努力していく。

五、民俗資料館の開設と公開

本村には、先祖から受け継がれた衣食住、生業、信仰、年中行事等に用いられた衣服等の生活器具がある。先祖の生活推移の理解のため欠くことのできないもの約千点ほどを、村の民俗資料保存会が、部落の理解と協力によって資料館に展示し、青少年教育や成人教育に活用し、成果をあげている。

 

 

 

 

 


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