教育福島0006号(1975年(S50)10月)-044page
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福島の文化財
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史跡
白水阿弥陀堂境域
いわき市内郷白水町
白水阿弥陀堂境域は、北方に経塚山を負い、左右は朝日・夕日の滝の名をとどめる滝跡のある峰々に抱かれている。その沿革は必ずしも明らかでないが、永暦元年(一一六〇)藤原秀衡の妹徳尼の建立と伝える阿弥陀堂(国宝)と本尊等は、いずれも当時の様式を示している。東池田、西池田と呼ばれている阿弥陀堂周辺の水田は、早くから広大な庭園の名残りと推察されていたが一昭和四十三年以来史跡の公有化、発掘調査、環境整備事業が進められ、四十七〜四十九年の発掘では西池田、東池田の汀線が明らかにされ、州浜の玉石群、景石、立石等が検出された。この調査結果に基づく復元により、中島を有して中央に半島の突き出る庭園が再現され、阿弥陀堂は中央半島の正面奥に位置することが明らかになった。この他、大門跡、中ノ坊跡、小御堂跡などと伝える地がある。
このように、古代末期における寺の境域並びに浄土式庭園がよく遺存していることは極めて貴重である。
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