教育福島0007号(1975年(S50)11月)-006page
特集1
芸術文化の振興と文化財保護の強化
亀ヶ森(左)・鎮守ヶ森(右)の全景
史跡指定・選択重要無形民俗文化財について
文化財保護審議会から、十一月新たに史跡・選択重要無形民俗文化財の指定について、内定があったので、その概要を紹介します。
(史跡)
亀ケ森・鎮守ケ森古墳
所在地
河沼郡会津坂下町大字青津字館の越字田中
所有者浄泉寺ほか
会津盆地のほぼ中央部、阿賀川と鶴沼川の合流点の南方微高地に位置する大小二基の前方後円墳である。亀ケ森古墳は、全長百二十七メートル、県内第一の大きさを有し、仙台の雷神山古墳に次ぐ東北第二位の規模である。鎮守ケ森古墳は、全長六十メートルで県内第四位の規模を有し、両古墳とも前方後円墳としての形態をよく残し、周辺部には築造のために形成された周濠の跡が低地として残されている。
発掘調査は行われていないので内部主体構造については明らかでないが、墳丘の大きさと形態、盆地内平坦部に形成されている立地条件等により、古墳時代中葉のものと見られる。会津の特殊な地理的条件の下に築造され、県内最大の代表的前方後円墳として歴史上極めて重要である。