教育福島0007号(1975年(S50)11月)-022page

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成人病予防事業の拡充

 

一、人間ドックによる精密予防検診

福利課の重点事業として、県教育委員会と共済組合の共催で実施しているものである。

本年度から検診対象者の年齢を四十歳、四十五歳、五十歳及び五十五歳の者とし、教職員全員が五年サイクルで受診する機会の均等化を図るとともに対象者の大半が受診できるよう、本年度は実施人員を千百五十四人と増やした。

昭和四十九年度における現職教職員の死亡者を見ると、四十三人の多きを数えており、これを年齢別、死因別に分析すると、四十歳代、五十歳代における成人病疾患による死亡者は二十七人、六十二・八パーセントと圧倒的に多い。このことから見ても、四十歳以上の教職員の健康管理がいかに大切であるか、特に成人病の早期発見、早期治療の必要性を痛感し、成人病予防事業の拡充を福利課の重点事業に掲げて、推進しているところである。

人間ドックは公立学校共済組合東北中央病院ほか県内各方部の総合病院等を指定病院として、二泊三日のコースで実施しているが、昭和四十九年度の結果を見ると、循環器系、消化器系に有所見者が多く、循環器系では治療を要する者三十八パーセント、日常生活上注意を要する者十五パーセント、消化器系では前者が二十五パーセント、後者が十五パーセントとなっている。この結果から見ても、日ごろ健康に自信のある人でも、必ず一度は人間ドックに入って身体各部にわたる精密検査を受け、名実ともに健康体で、勤務に、家庭生活に、安心して過ごされるよう願うものである。

また、互助会も、任意継続会員(退職者)を対象として、百二十一名の人間ドックを、東北中央病院ほか県内総合病院において二泊三日コースで実施している。

二、婦人科健康診断

女子教職員を対象に、県教育委員会と共済組合の共催により子宮がんの予防検診を実施しているが、本年度から検診対象者を三十歳以上として範囲の拡大を図った。

検診方法についても教職員の専用日程によるほか、市町村で実施する一般住民集団検診のいずれか希望する方法で受診できるように配慮している。

本年度の婦人科検診の実施人員は、対象者の七十パーセントを目標に実施しているが、例年のことながら受診者が予定人員を相当下回った結果となっている。子宮がんは、早期に発見すれば完全な治療が行われやすい疾病であるから、三十歳以上の女子教職員は積極的に検診を受けて、予防に努められるよう願いたい。

三、へき地教職員巡回検診

県教育委員会と共済組合の共催で実施しているへき地教職員の健康診断はへき地学校に勤務している教職員全員を対象として、東北中央病院の巡回検診車と、医師が直接現地を巡回して、胃及び胸部間接撮影、血圧測定、尿検査のほか聴打診及び心電図検査を行っている。

また、巡回検診車が運行困難なへき地学校教職員については、血液を採取して健康検査を実施している。

この事業は、教職員のほか被扶養者についても併せて検診を実施しており医療機関に恵まれないへき地学校に勤務している教職員とその被扶養者の福祉の確保に効果をあげている。

人間ドックをはじめ、これらの検診結果については、検診結果記録票に記入するとともに、異常所見があるものについては精密検査を受け、更に早期治ゆを図るよう努められたい。

 

本年度の事業計画

教職員レクリエーション大会(須賀川方部)

 

教職員レクリエーション大会(須賀川方部)

教職員レクリエーション大会(須賀川方部)

 

へき地巡回検診風景

へき地巡回検診風景

 

 

 


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