教育福島0007号(1975年(S50)11月)-034page
わが村の生がい教育
緑さわやかな住みよい村へ
安達郡白沢村教育委員会
一、はじめに
白沢村は、安達郡の南端に位置し、東は岩代町、西は本宮町、南は郡山市北は二本松市に接した面積四十八平方キロメートル、人口八千六百余人の農村地帯である。産業の中心は養蚕、水稲、畜産、葉たばこであるが、近年村内に誘致した企業あるいは近隣の市町村への通勤労働者が増え、専業農家は七パーセントの現状である。このような環境の中にあって我が村の社会教育は、
一 心身ともに健康な人を作る
一 正しい判断のできる人を作る
一 協力し合う人を作る
一 郷土を愛する人を作るを目標に各種の社会教育活動を展開している。
二、社会教育の施設
我が村の誇りの一つに昭和四十三年に建設した村民体育館と村民運動場がある。特に運動場は、農村地帯では珍しい第五種公認のグランドで、ソフトボールなら同時に六試合できる広さを持っており、ともに我が村の社会体育の殿堂として施設をフルに生かしたスポーツ行事を実施し、広く村民に利用されている。公民館は本館一、分館六であり、生がい教育を進めるための拠点となっている。
三、乳幼児の教育
人格形成の基礎である幼児期の正しい教育のあり方を学習させるため、幼稚園入園前の両親を対象に乳幼児学級を開設している。
学習日には幼児を連れて出席し、幼児は幼稚園教諭によって、遊びを通して共同生活に慣れさせ、社会性を身につけさせる訓練をしている。
四、青少年の教育
在学少年については、スポーツ少年団、各種スポーツ教室、野外活動研修等のスポーツ活動を通して、協調性、連帯性のかん養を図っている。
また子供会育成会の研修会を開き、地域ぐるみで子供の健全育成に努めている。
青年教育については、二十歳の講座ヤング学園を開設しているが、特に二十歳の講座は毎年成人式を迎える青年を対象に、成人としての自覚と責任を持たせるための学習を継続している。また、この講座に参加することによって、更に高度な社会教育活動を実践するための自発性を喚起するという大きなねらいも含んでいる。
五、成人の教育
婦人教育では、結婚三年までの若妻学級一、五十歳までの婦人学級六、五十歳以上の婦人学級二を開設しており特に、部落集会所を会場にした部落学級は好評を得ている。
高齢者学級は中央学級一、地区学級六を開設しており、陶芸教室等を取り入れ、創作の喜びを自ら発見し、希望のある生活をするための学習の場としている。
趣味や生活に密着したテーマを取り上げての成人講座、文化財愛護精神を高めるための文化財講座も参加者が多い。毎回テーマを変えての民俗資料展も四回目を迎え、年中行事の一つになっている。
六、おわりに
我が村の社会教育を見た場合、多くの問題点がある。地理的な問題、施設設備の問題、職員組織の問題など。
しかし、社会教育とは住民自らが主体的に学習するものであるという点を認識し、絶えず住民の学習意欲を喚起しつつ、現状における最善の手段を模索し、問題点を逐次解消しながらたゆまず前進を続けているのが、我が村における生がい教育の姿である。
婦人学級生大会風景