教育福島0007号(1975年(S50)11月)-037page
わが村の生がい教育
地域住民に密着した社会教育を
相馬郡飯舘村教育委員会
一、はじめに
本村は、相馬郡の西部、阿武隈山系の北部に位置し、平均海抜四百五十メートルの高原地帯であり、農林業を主とした農村である。
小学校は八校(他に分校一校)、中学校三校、農業高校の分校一校があり人口八千五百二十七人、面積二百三十一平方メートルである。
社会教育施設としては、公民館二、部落館六、柔剣道場一、村民グランド二(うち夜間照明付き一)がある。
これらの社会条件の下、地域住民の要請を的確には握しながら、豊かな家庭と社会作りを目指し、生がい教育の実現のため、地域の組織及び学習活動の場と機会の拡充を、関連行政機関との連携と協力により計画的に進めている。
二、事業計画
次に本村が行っている社会教育事業の主なるものについて述べてみたい。
(一) 青少年教育
1) 少年グループ活動の推進
各種スポーツ少年団の活動の育成を図るため、卓球、剣道、スキー教室を開催し、そのほか子供読書指導やお話会を各小学校低学年を対象として開催している。
2) 青年グループ活動の推進指導
村内に働く青年を対象に自己を充実し、地域のグループ活動の指導者として活動するため、年十回の講座を開設している。
移動講座として、海浜青年の家磐梯青年の家を利用している。
3) 農業後継者の育成指導
新規就農者を対象に、専門的な知識や技能を授け、将来村勢振興のため寄与することのできる人材の養成をねらいとして、年十回の講座を開設している。
(二)成人教育
1) 若妻グループ活動の推進指導
村内の若妻を対象に教養の向上と消費生活の改善を図るため、年十回の講座を開設している。
2) 婦人グループ活動の推進指導
本年、婦人会が統合され、それら婦人会の組識活動の強化を図るため、単位活動の推進としてリーダーの研修会を実施している。
3) 家庭教育学級の拡充
乳幼児を持つ母親を対象に健康相談、基礎的な生活習慣化を身につけさせるため、年十回学級を開設している。補助対象学級二、自主学級六。
(三)社会体育
本村は、県の体力作りモデル村にに指定されており、村あげて体力の向上を目指して計画的に進めている。
行政面からの指導・援助として、専任の体育主事を配置し、また、各種日別スポーツの指導に当たっては、スポーツ指導員の活動に期待している。主なる行事は次のとおりである。
1)各種日別スポーツ教室
2)村民野球大会
3)村民体育大会(ソフト、バレー、駅伝、卓球)
4)村民登山
5)村民体育大会(陸上)
6)部落単位運動会
三、おわりに
これらの社会教育は、村民の学習要求、村民の実態などを更には握するために、本年度は村民の意識調査を実施しそれらの要求に応じた施策を考えていきたい。
社会教育施設としては、学校体育施設を(早朝五〜七時まで、休日昼間九〜十七時まで、土曜日十三〜十七時まで、夜間十八〜二十一時まで)積極的に開放している。また学校統合後の学校施設を社会教育や体育に全面的活用し、村内全域に生がい教育の場を広げていきたい。
婦人リーダー研修会風景