教育福島0008号(1976年(S51)01月)-005page

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巻頭言

 

福島県教育庁総務課長 小林敬治

年頭にあたって

 

年頭にあたって

 

皆さん明けましておめでとうございます。日ごろ教育の第一線で精励されていられる先生.がたにごあいさつできるのは、私にとってたいへん幸運なことです。

昨年は例になく、いろいろと困難な問題が続出した年であったように思われます。しかし、そうした難しい時期の中で、この総合誌「教育福島」も、皆さんの御協力により間もなく一歳を迎えようとしております。この広報誌は、当初より速報性をねらったものではありませんが、本県における教育行政と教壇を結ぶ一つのパイプとして働いて欲しい、という願いをこめて企画された総合誌です。したがって、教育行政のサイドにいる私たちとしては、この広報誌を通じて、教育行政が今何を考えているか、何をなそうとしているのかなどを、正確に読者の皆さんにお伝えするよう努力して参らねばなりません。反対に私たちとしては、この広報誌から、教壇に立っていられる先生がたの考え方などをくみ取る良い機会を与えられます。本誌の「ふれあい」欄は、ぺージ数が限定されているのが残念ですがこの意味で、いつも楽しみにしていて最初に読むところです。特に、教育の実践経験を全く持たない私にとっては教職の難しさや喜びについて大いに教えられるところがあるからです。今後とも、こうした企画はますます充実させていきたいと思います。

さて、年が改まってもうすぐ昭和五十一年度になりますが、来年度もなかなか厳しい年になりそうだというのが大方の見方です。昨年度に閣議決定を見た国の来年度予算によりますと、当初の計画では昭和五十一年度に完了するはずだった事業の一部が、昭和五十二年度に持ち越されたといったケースがかなりあるようです。本県の予算はいよいよこれからという段階ですが、なんとしても教育水準の維持に必要な線だけは、最小限確保しなければと考えております。教育という息の長い事業にとっては、でこぼこをできるだけ少なくすることが、長期的に見て極めて大切であると言えましょう。「教育は人なり」としばしば耳にします。これは、教職に優れた人材が確保でき、教育に専念してもらうための条件を整えることに成功すれば、教育に無限の可能性を期待することができます。したがってこのことは、教育行政にとっては最も基礎的な要請であると同時に、終極の目標でもあるはずです。こうしたことを念頭に置いて、県財政が苦しいと言われているときではありますが、必要な予算の確保に努めたいと考えております。

学校では最終学期に入り、一年間の総まとめの時期で、御苦労の多いことと存じますが、すがすがしい気分で新年度に立ち向うことのできるよう、なお一層の御精励をお願い申し上げます。また、本誌もますます充実させて参りたいと考えておりますので、先生がたにもぜひ御協力をお願いします。

 

 

 


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