教育福島0009号(1976年(S51)02月)-005page

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=昭和51年度=

学校教育における施策の概要と

各教科・領域等の指導の重点

丑込幸男

 

学校教育が一貫して希求してきたのは、児童生徒の知・徳・体の調和のとれた発達であり、平和的な国家及び社会の形成者として心身ともに健全な国民の育成であります。そのため、現行学習指導要領では、指導内容の精選・集約を図って指導の効果を高めること児童生徒の能力・適性等に応ずる教育によって個性の伸長を図ることなどを方針としております。一方教育課程審議会は、昨秋「教育課程の基準の改善に関する基本方向について」の「中間まとめ」を発表し、今後の改善の方向を明らかにしています。

本県教育委員会としましては、昭和四十七年度以来「豊かな人間形成をめざす生がい教育」を柱として年度ごとに重点施策を策定し、これが実現のため鋭意努力を続けてまいりました。各学校におかれましても、この方針を受け、それぞれの実態に即した具体的計画によって御努力願ってきたところであります。

この度、昭和五十一年度の本県教育委員会の重点施策が決定しました。これは、本県長期総合教育計画第三期実施計画の基本構想を踏まえ、前述の基本方針に基づき、本県の教育活動を推進するための重点であります。この重点施策を受けて「学校教育における施策」を決定しました。これは、本県教育委員会が努力する施策でありますが同時に、市町村教育委員会及び各学校においても御努力願いたい内容も含んでおります。

各学校におかれましては、それぞれの施策の内容を十分に理解され、必要な事項については諸計画の中に明確に位置づけるなどして、創意と工夫に満ちた教育活動を力強く展開されるよう期待するものであります。

 

一、学校教育機会の拡充

 

(一) 幼稚園教育の拡充

幼稚園の新設を促進し、就園率を引き上げ、幼稚園教育の拡充に努めるとともに、教職員の資質の向上と施設設備の整備充実を図る。

ア、幼稚園の新設、学級増を図り、幼稚園教育機会の拡大を促進する。

イ、幼稚園教育課程研究集会を開催し、指導計画の作成や日常の実際指導における諸問題の解明に努める。

ウ、 「幼稚園指導計画例」並びに「幼稚園教育の手びき」をもとに、県内各幼稚園の教育内容の精選と指導方法の改善充実に努める。

(二) 特殊教育の拡充

昭和五十四年度からの養護学校の義務制移行を円滑にするため、心身の障害の種別、程度別に県内の心身障害児の実態をは握し、特殊教育計画を樹立して、施設設備の計画的整備充実を図り、教育機会の拡充に努める。また、心身障害児の判別を的確に行い、指導法の改善研究に努める。

ア、市町村における在宅心身障害児巡回訪問指導員を増員し、巡回訪問指導の拡充を図る。

イ、県心身障害児判別・就学指導会議の活動を充実させ、市町村における就学指導体制の確立を図る。

ウ、小・中学校特殊学級、特殊教育諸学校教員の資質の向上を図るため、長期・短期の研修派遣を行いあわせて県内における各種研修会講習会等を実施する。

(三) へき地における教育活動の充実

過疎化現象に伴うへき地の教育人口の減少による複式学級の増加に対処して、学習指導の改善充実に努めるとともに、教育条件の整備を図る。

ア、複式学級における学習指導計画例(体育、道徳)を作成し、複式学級の学習指導の改善充実に努める。

イ、へき地教育担当教員研修会等を開催し、指導力の向上に努める。

ウ、オーバーヘッドプロジェクターシート式磁気録音機の購入費補助を行い、教育機器の充実を図り、指導方法の改善に努める。

エ、へき地教育研究学校を指定し、指導内容の精選と指導方法の改善に努める。

 

二、学校教育の質的向上

 

(一) 教職員の資質の向上

教育公務員としての自覚を高め、教職員の資質と指導力の向上を図るため研修の機会を拡充する。

ア、学校運営上の諸問題や指導内容・方法等に関する各種研修会を充実し、教職員の資質の向上に努める。

イ、教員の内地留学派遣及び海外派遣を推進する。

ウ、現職教育に必要な指導資料を作成整備し、指導力の向上を図る。

エ、自主的研究団体の育成強化を図り、自主的研修を推進する。

オ、事務職員の研修講座を開設し、資質の向上を図る。

カ、研究論文を募集し、教職員の専門性の向上と研究意欲の高揚を図る。

(二) 学校教育における指導活動の充実

1) 教科指導の充実

一人一人の児童生徒の能力・適性の伸長と調和のとれた発達を目指し、教

 

 

 


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